「笑門来福」を美しく書くコツ
各文字(笑・門・来・福)を美しく書くコツ


今回は書初めにおすすめの言葉について解説させていただきます。
今回は「笑門来福(しょうもんらいふく)」です。
「笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる)」ということわざでも有名な笑門来福は、笑いの絶えない家(家庭)には自然と幸せがやって来るという意味があります。
笑門来福の中で「福」は画数が多いため、文字内の余白が小さくならないようにやや大きく書くことがポイントです。
反対に画数が少ない「門」は、文字が大きくなりすぎると間延びしてしまうため、気持ち小さく書くことがポイントです。
楷書では、一画一画を丁寧に書いていきましょう。
「笑」を楷書で書くときのコツ

竹冠を小さく書くことで、7画目以降のスケールが大きく見えます。
文字の上部分を小さく書くことで、文字が頭でっかちになる印象を防ぐことができます。そのため小さく、軽やかに書きましょう。

8画目の横線を長く見せるために、7画目のはらいをできるだけ小さく書きます。
文字の横幅が広く見えて、9画目、10画目が広がり、躍動感を見出すことができます。7画目を小さく書くことにより、8画目が長く見えます。

軽やかに書くことにより、文字の下の箇所にゆとりを見出すことができます。
10画目が太いため、9画目を軽やかに書くことにより、文字全体がすっきりとした印象になります。
9画目の左はらいを、左に流れるように書きます。また、8画目の書き始め位置よりも左にはみ出して書きます。

なるべく長く書くことを意識すると、文字のスケールが大きく見えます。9画目の左はらいより、大胆に書きましょう。
9画目と10画目の高さは10画目の方がやや長く書くとバランスが取れます。また、8画目の終筆部分よりも右にはみ出して書きます。
「門」を楷書で書くときのコツ

1画目の縦線より、6画目の縦線をやや太く書くことがポイントです。

6画目の跳ね上げた先が、次の画(7画目)の方向に向くことにより、文字のまとまりがよく見えます。

縦線と横線の長さや太さに変化を付けることで立体感が増し、楷書のメリハリがより出ます。
1画目と6画目の縦線部分を太く、3画目と7画目の横線を少し細く書き文字にメリハリをつけましょう。
2画目と6画目の横線部分の高さは、6画目の方をやや高く書くとバランスよく見えます。
「来」を楷書で書くときのコツ

1画目より、4画目を長く書くと、文字が安定して見えます。長さに加えて、太さにも少し変化を出すと躍動感を見出せます。
4画目を1画目より細くすると、すっきりして見えます。

縦線と横線の長さに変化を付けることで立体感が増し、楷書のメリハリがより出ます。
縦線の中でも特に長い画、或いは文字の中心部に該当する画は、他の縦線よりもやや太く書くことで、文字のバランスが安定します。

6画目の左はらいは、4画目と5画目の交わっている点よりも左側から書き始めましょう。
軽やかに短く書くことによりすっきりとした印象になり、文字の下の箇所にゆとりができ5画目の長さを強調することができます。
「軽やかに書く」というのは、筆の穂先を半紙に軽く付けて書くということです。

なるべく長く書くことを意識すると、文字のスケールが大きく見えます。
6画目の左はらいより、大胆に書きましょう。
6画目と7画目の高さはやや、7画目の方が長くします。また、4画目の終筆部分よりも右にはみ出すとバランスよく見えます。
「福」を楷書で書くときのコツ

縦線を長く書くことにより、文字がスタイリッシュな印象になります。
4画目をできるだけ短く、2画目も3画目よりも下にならないようにすることで偏の下の箇所に余白ができて、文字にゆとりがうまれます。

文字の頭に該当する箇所を小さく書くことにより、文字が頭でっかちになる印象を防ぐことができます。小さく、そして軽やかに書きましょう。また、これにより、口や田が大きく見えます。
文字は一点を強調することにより、より美しく見せることができます。
「福」という漢字において、10画目は文字の中の見せ場です。
田の横線を長く書くことでメリハリのある文字に仕上がりますので、概形(シルエット)が横長になるように意識して書きましょう。
10画目は、横線を細長く、縦線を太短く書きます。
縦線部分は長く書かない代わりにゆっくりと時間と圧力をかけて書きましょう。
各文字のポイントを押さえて綺麗な「笑門来福」を書けるように練習してみましょう!

行書のお手本


行書は流れるように書くことで文字が躍動的に見えます。常に次の画のことを考えて書くことにより、一文字の中の繋がりがあるように見えます。
どの文字も点画を連続させすぎると余白が狭く見えてしまうため、一部だけ点画を連続させて書きました。 軽やかに手の力を抜いて書きましょう。
草書のお手本


草書は余白を充分にとることにより、安定した印象になります。
紙面上、作品構成をゆとりがあるように見せるためには、草書を使用することをおすすめします。日本では、掛け軸で使用されていることが多いです。
隷書のお手本


隷書は、扁平かつ水平な書体で、文字の中に「波磔」があるのが特徴です。
本格的な書表現に挑戦してみたい方には、隷書がおすすめです。中華料理店の看板でよく見られる書体ですね。
篆書のお手本


篆書は縦長の字形が特徴的な書体です。そのため、文字の背が高くてすっきりとした印象にみせたいときにおすすめです。基本的に左右対称ですが、古典分析をすると、微妙に左右非対称です。そこに注目することが書道の醍醐味です。
書道アート風に書いた作品


書道アートの分野においては、「古典書道」の概念から一度離れることが大切です。
始筆や終筆、そして運筆の方法は、書道アートのときには従来の本格中国書法の書き方とは大きく異なります。書道初心者の方が筆文字に触れて、その成果を少しでも早く作品にして公表したい、というときにおすすめの表現方法です。
いかがでしたでしょうか。同じ書道の文字でも、書体が変われば文字の雰囲気も多いに変わります。皆様も、是非、様々な書体で書道を楽しんでみてくださいね。
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