自分に合った紙の選び方
紙を選ぼう!
書道に使う紙といっても様々な大きさや種類の紙があります。ここではその中から自分に最も合った紙を見つけるプロセスを紹介します。
ステップ1:目的を決める
まずは何を目的とするのかを明らかにしましょう。作品として展覧会に応募するものなのか、単なる字の練習なのか、かな書道なのか漢字書道なのか等目的は様々です。目的が決まることによってどの大きさの紙を使うか、どんな質の紙が良いか等が分かります。
ステップ2:紙の質を見る~製造方法編~
手漉きか機械抄きかで紙の質感は大きく変化します。手漉きの紙は高価ですが表現豊かな作品を残すことができます。
展覧会に応募するような作品を作る場合、高価な手漉きの紙を使用しましょう。一方で、練習用である場合は機械抄きの紙で十分です。ただし、あまりにも安価な機械抄きの紙で練習していると、いざ高級な紙を使う際に紙質の違いに驚いてしまうことがあるので注意しましょう。清書を見据えているなら、なるべく練習から清書まですべて手漉きの紙を用いることが望ましいです。
ステップ3:紙の質を見る~素材編~
同じ手漉きの紙、機械抄きの紙でも原料によって紙の質に違いが出てきます。質の違いを踏まえて紙を選びましょう。
一般的に紙の厚さによって、下記のような違いが出てきます。
- 厚い紙→力強い字が残せる。筆の運びが重くなり擦れやすくなる
- 薄い紙→切れ味が鋭い字が書ける。筆が軽やかに動くため滑らかな字になる
他にも墨の染み込みやすさにも違いが出ます。染み込みやすい紙は擦れやすいため必然的に大量の墨が必要となります。逆に染み込みにくい紙は細かい字や、少量の墨でより多くの字を書くことができます。
かな書道なら滲みにくい和紙、漢字書道なら擦れや滲みが出やすい唐紙が適しています。その中でもかな書道では三椏・雁皮で作られた料紙が、漢字書道では唐紙か楮で作られた画仙紙がおすすめです。
さて、ここまで自分に合った紙の選び方を提案しましたが、書道用紙は本当に多彩で結局のところは書き手の好みによりますし、そもそも実際に使うまでは違いなんて分かりません。
違いを知るには、実際に手に取って使ってみるしか方法はありません。書道道具の専門店の中には数種類の紙をお試しで使うことができる店もあるので、自分の手で感触を確かめた上で、墨の滲み具合や擦れ具合を確認し、自分の好みの紙を見つけましょう。
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