筆ペンについて(概要)

目次

筆ペンとは?(基礎知識)

 持ち運びできる筆がペンになった商品です。主に毛筆タイプフェルトタイプがあります。

 最近ではインクが詰め替えできるカードリッジ形式の筆ペンや、すぐにインクが乾く筆ペン、そしてフェルトタイプのもの化粧品のアイライナーに見立てた筆ペンなど、様々な形式のものが販売されています。

筆ペンの魅力

 筆ペンの魅力は、

  • 持ち運びが便利
  • インク漏れを防ぐことができる
  • 手軽に書道に挑戦できる
  • 一本で太い線と細い線を書くことができる

 です。

 書道家で講師としてもご活躍されている繁本香菜さんが書道講座を開催する時、一番気になるのは、会場を汚してしまうリスクがあることだといいます。筆ペンの場合は、キャップを閉めることができるため、インク漏れを防ぐことができます。

 出張書道教室の際も、受講者の方が書道道具を一から揃えるとなるとハードルが高くなりますが、筆ペンだとワンコインで手に入るため、受講者様からもご好評いただいているそうです。

 また、筆ペン一本で太い線と細い線を書ける点も魅力です。

筆ペンの持ち方

 筆ペンの持ち方は基本的に鉛筆の持ち方と共通しています。

 親指が出ないように注意して書きましょう。

筆ペンの書き方

 太い線の書き方のコツは、筆圧を強くすることです。筆圧を強くすると筆の穂の部分が開き、太い線がでます。

 細い線を書くときは、筆を紙に対して垂直にします。穂先だけを使うことができるため、細い線が出やすくなります。

 太字・中字・細字を1つの筆ペンで書きたい場合は、中字の筆ペンを用意すると書きやすいです。

筆ペンを使う時のコツ

 筆ペンはインクが一定のペースで出続けるため、速度調整が必要です。

 大量にインクが出てしまった場合、まずはインクをティッシュなどで拭き取り、書く速度をやや速くします。

 反対にインクの出が悪い時は、書く速度をゆっくりすることでかすれずに文字を書くことができます。

筆ペンは何に使う?(使用用途)

  • 半紙の細字作品制作
  • 賞状の名前書き
  • のし袋
  • トロフィーのリボン書き
  • 書画作品制作
  • 墨絵
  • 線画を描く時

 など様々な場面で使うことができます。

 繫本さんの場合は、出先で文字を書く際(下書き)に使うことが多いそうです。

 飲食店のメニューや看板の制作を依頼された時は、打ち合わせの場に筆ペンとコピー用紙を持参し、クライアント様の意向を読み取りながら筆ペンでメニューや看板の案(下書き)を制作するそうです。

 そして、自宅に持ち帰り、筆で清書することが多いといいます。

筆ペンの太さの違い

太字の使い道

 太字は、ポスター書きに使用できます。

 繁本さんの場合、大色紙に文字を書く際に使用します。朱筆の太字の場合は、生徒さんの半紙作品の添削の際に使用するそうです。

中字の使い道

 中字は、のし袋書きに使うことができます。

 繁本さんの場合、主に半紙に細字作品を書く際に使用します。穂先が繊細な筆ペンの場合、古典臨書もすることができます。

細字の使い道

 細字はハガキの宛名書きに使用することができます。

 繁本さんの場合、半紙に仮名作品や仏画を写仏するときに使います。中字で線が出にくい際のスペアとして常備しているそうです。

筆ペンってどれくらい持つ?

 筆ペンに使用期限はありませんが、毎日使い続けた場合、インクは約50日でなくなります。

 繁本さんの場合、3年前に使い始めた筆ペンを今でも使用されているそうです。

 毛が痛みにくく、インクもカードリッジ形式だと使用しやすいといいます。

筆ペンの毛質の違い

 筆ペンの毛質はナイロンの割合で変わります。

 ナイロンの割合が多いと、紙面と筆が反発せずに程よく滑るため、まるで紙の上をスクーターで走っているかのようなすらすらとした書き心地になります。コストダウンにも繋がるため、安価で手に入れることができます。

 ナイロンの割合が少なく、動物の毛の割合が多い筆ペンの場合、毛筆書道のような書き心地になります。具体的には、掠れが出やすく、書き心地にも変化があります。

毛筆タイプとフェルトタイプ違いやそれぞれの特徴、優れている点

 毛筆タイプは、穂先を自由自在に使うことができるため、毛筆書道と似た感覚で書くことができます。

 フェルトタイプの筆ペンは、マーカーペンで書いているときと書き心地が似ているため、書道が経験ない方にも書いていただきやすいです。