和紙の特徴

概要

 書道でよく使われる半紙の質感を想像してみてください。人によって異なる印象を持つとは思いますが、少なくとも単なる「紙」と言われて想像するようなコピー用紙やメモ帳等の質感とは全く異なると感じるはずです。この理由は、半紙が和紙であるためです。この記事では、和紙の特徴について紹介していきます。ちなみに和紙に対して普通の紙を用紙といいます

和紙

和紙の特徴

 和紙全体の特徴として言えることは、とても丈夫であるということです。紙の繊維が非常に細かいので墨が滲みにくく、紙に浸透せずに表面に残るようになります。また、表面が滑らかな紙ほど筆の滑りが良くなり、その分擦れにくくなります。逆に表面が粗い紙は筆への抵抗が大きくなり、擦れが出やすくなります。

 これは書道でも同じことが言えます。和紙に書いた場合、墨本来が持つ色を表面に残すことができます。墨本来の色を楽しみたい方は和紙がオススメです。

 和紙は水や湿気に弱いものです。濡れるとすぐに破れてしまいますし、湿気の多い場所では水分を吸収してしまい、カビやシミの原因となってしまいます。ですが、保存方法さえ正しければ1000年以上も持つことができると言われています。

和紙の原料と値段について

 和紙には代表的な三つの原料こうぞ三椏みつまた雁皮がんぴがあります。漢字には比較的表面が粗い楮の紙、かな文字には三椏・雁皮から作られた紙がおすすめです。(原材料の詳しい解説→「原料による和紙の違い」)

 和紙はほとんどが手漉きで一枚一枚丁寧に作られています。手間がかかりますがその分質が良い紙を作ることができますし、職人の手によって少しずつ違いが出てきます。それゆえに、一度に大量に生産できる機械抄きの紙に比べるとやはり高値になってしまいます。

 紙の値段と質は比例すると考えても良いものなので、良い作品を残したいと考えるのなら思い切って高級な紙を使ってみましょう。