あ行(あ・い・う・え・お)を上手に書く方法

目次

ひらがな(あ・い・う・え・お)の成り立ち

 ひらがなは中国から伝わってきた漢字が元となってできています。

 現代の日本で使われている「あ・い・う・え・お」は「安・以・宇・衣・於」という漢字がそれぞれ崩れ(簡略化され)、出来上がりました。

安・以・宇・衣・於からあ・い・う・え・おの変化

「あ」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!

楷書

楷書の「あ」

 概形(シルエット)が三角形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。

楷書の「あ」
  • 1画目:短く書く(やや右上がり)
  • 2画目:直線ではなく、少し膨らみをつけて書く
  • 3画目:大きくまわるように書く

行書

行書の「あ」

 1画目と2画目の繋がりを特に強調して書くことがポイントです。

 最終画のはらいを穂先がまとまるように書くことにより、スタイリッシュな印象にします。

「い」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!

楷書

楷書の「い」

 概形(シルエット)が横長の長方形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。

楷書の「い」
  • 1画目と2画目のスタート地点(起筆)を平行線上(同じ高さから)書く
  • 1画目の始筆を、行書よりも少し強めに書き始める

行書

行書の「い」

 1画目と2画目が繋がっていてもいなくてもどちらでも良いですが、いずれにしても筆の動きは繋がっていることを意識しましょう。

 2画目の終筆部分は力を入れずに軽く離します。

「う」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!

楷書

楷書の「う」

 概形(シルエット)が縦長の長方形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。

楷書の「う」

 2画目の右側を少し膨らませることにより、立体感を出します。

行書

行書の「う」

 楷書との違いを明らかにするために、始筆を柔らかく入ることにより、行書の柔らかさを強調します。

 最終画のはらいを穂先がまとまるように書くことにより、スタイリッシュな印象にします。

「え」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!

楷書

楷書の「え」

 概形(シルエット)が台形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。

楷書の「え」
  • 1画目は中心部分に配置する
  • 2画目の横線は、ななめ右上に向かって書く
  • 1画目の終筆部分と2画目の1回目の曲がり角、2画目の始筆部分と2画目の2回目の曲がり角をそれぞれほぼ垂直に揃える

行書

行書の「え」

 1画目の終筆部分が2画目の始筆に向かっていることを意識します。

 2画目の終筆部分は力を入れずに軽く離します。

「お」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!

楷書

楷書の「お」

概形(シルエット)が正方形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。

楷書の「お」
  • 1画目はやや斜め上に向かって書く
  • 2画目の回転する箇所は、文字を全体で見たときに、左下半分に納めるように書く(回転する)

行書

行書の「お」

 2画目と3画目の繋がりを意識して書きます。

 3画目は上の方に配置することにより、1文字の中の余白を充分に強調することができます。

学習上の注意点

今回は「教育出版」の字形を参考に記事を書きました。

ひらがなの字形は本によって字形が少しずつ異なりますが、ポイントは共通しています。このポイントを押さえることにより、「学校の先生とお習字の先生の書き方が違う」という現象により生じる迷いがなくなります。

この記事を通して、学校と習字教室に共通した基礎を学んでいただけると幸いです。

 各ひらがなをキレイに書くコツはこちらをご覧ください。