習字で「樹」を書いてみよう!~楷書・行書・草書・隷書・篆書~
「楷書」で「樹」の書き方をマスターしよう!
楷書はみなさんが小学校などではじめに習う書体であり、書の基本です。履歴書や宛名書きなど正しくキレイな字“美文字”が求められる場でも使われている書体です。そんな楷書での「樹」の書き方をまずは覚えましょう!
「樹」はスケールが大きく見えるようにはらいを長くするように意識して書きましょう。美しい文字に見せるポイントは3つ!
「木」と「寸」の横線は揃えずに、「木」の方の横線(1画目)は5画目7画目の間、「寸」の方の横線(14画目)は7画目の下に配置するようにしましょう。
6画目を2画目15画目よりも上に突き出すようにして書くと文字のスケールが大きく見えます。
2画目・15画目の下の高さを揃え、13画目の下に余白を作りましょう。
画数が多い漢字ですが、余白があることで窮屈そうな印象がなくなります。また、2画目・15画目の上の高さは揃えなくても良いです。揃えない場合は、15画目の方を高くしましょう。
これらのポイントを押さえて綺麗な「樹」を書けるように練習してみましょう!
楷書での書き順を覚えよう
「樹」の書き順はこちらを参考にしてください。
「行書」で「樹」の書き方をマスターしよう!
行書は楷書を崩した書体で楷書よりも短時間で書けるという利点があります。
手紙や走り書きでメモを取る時など、素早く書きたいときに使える書体です。
行書のポイントは
- 見た目が曲線的になっている
- 一部が省略して書かれている場合がある
- とめ・はね・はらいの部分が変化する
など
「はらい」が「とめ」に変わっただけのほぼ楷書と同じものも、複数省略して書いた草書に近いものもどちらも行書になるため、崩し方によって文字の雰囲気はガラリと変わります。
今回は「樹」をより速く書くコツをお伝えします。「樹」を素早く書くためには、「点画を連続させる」書き方が一般的です。画数が多いため、あまり繋げすぎないことがポイントになります。
楷書より、柔らかく書く、という意識を持つだけでも、楷書と行書の差別化を充分にすることができます。
行書での書き順を覚えよう
「樹」は通常16画ですが、今回は12画で書く時の書き順画像をご用意しました。
始筆(起筆)は露鋒で、楷書に比べると気持ち軽く入ることで行書らしい柔らかみのある線が出ます。
また、全ての点画を連続させてしまうと余白が狭くて窮屈な印象になるため、14画目と15画目は切り離して書きました。
草書・隷書・篆書の見本を見てみよう!
草書の見本を見てみよう!
草書は画数が非常に少ないため、文字に余白を作りたいときに有効的な書風であります。
比較的、草書には曲線が多いため、その曲線の膨らみ加減がどのくらいであるかにより、表現の多様性を生み出すことができます。
また、点画を連続させることによってまとまりのある文字に魅せることができます。
草書で「樹」を書くときのポイントは余白の広さを好みの広さにすることです。偏と旁を離すと文字の横幅を充分に設けることができます。
隷書の見本を見てみよう!
隷書は日本の紙幣で使われている書体です。
お札を見てみると「日本銀行券」や「壱万円」といった文字が書かれていますよね。その書体が隷書です。
他にもお店の看板やお菓子やお酒のパッケージなどにも使われているので、探してみると意外と身の回りで見つけることができる書体です。
そんな隷書は一定の速さで書き進め線の強弱をなくすことと、水平に書くことがポイントです。
今回、隷書で「樹」を書くときのポイントは、横平らに魅せるために2画目をやや長く、尚且つ3画目を横線に近い斜め線として書くことです。平たい印象にしましょう。
そして、決して右上がりにならないようにしましょう。
また、13画目の下に余白を作ることにより、すっきりした印象になります。1画目の横線を長くすることにより、全体的に横長の印象になります。
篆書の見本を見てみよう!
篆書はパスポートや印鑑(印章)で使われている書体で、漢字の中で最も古い書体です。パスポートの表紙に独特な字形で「日本国旅券」と書かれていますよね。その書体が篆書です。篆書は縦長の字形が非常に多く、線の太さも基本的には均一にします。鋭い印象の書体でもあります。
篆書で「樹」を書くときのポイントは、全体的に文字を縦長に書くということです。ほぼ縦線に近い書き方で大丈夫です。古典でも、右半分を下にずらしたら字形がよく見られます。より縦長に見える効果があります。
楷書だと比較的横長に見える文字であるため、縦線に曲線を多用して書きました。また、最終画の長さを長くすることにより、文字のスケールを大きく見せることができます。
草書・隷書・篆書は、中国古典を学びながら、字形を覚えていきます。日本においては書道教室の先生が中国の古典を元にして臨書した作品をお手本にして学ぶことが多いです。
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