かな書道の特徴
概要
いざかな書道に挑戦しようと思っても、どのように書けばいいか分からない、かな書道の特徴って何?とお困りの方はいませんか。この記事ではかな書道の特徴について紹介します。この後の「かなと漢字の違い」についての記事と併せてお読みください。
かな書道の特徴
かな書道には3つの大きな特徴があります。
連綿がある
連綿とは二つ以上の文字を続けて書くことです。もともとは早く書くためにできたようですが、流れるような様子から次第に美しさが求められるようになっていきました。また、連綿はかな書道に限らず行書や草書の漢字でも見ることができます。かな書道には決まった形式が無く、2,3文字だけを繋げたものから全ての文字を繋げて書くものまで多種多様です。
連綿はかな書道の醍醐味ともいえる存在で、連綿がきれいに書けるだけでも作品の出来はぐっと良くなります。
散らし書き
散らし書きとは、和歌や文を書く時に行を揃えずにとびとびに書くことです。わかりにくい方は罫線が入ったノートを想像してください。漢字書道では罫線に沿って文字を書き、文頭や文末の位置が全ての行で揃うように改行します。これに対して、かな書道では書き始めや書き終わりの高さを揃えたり、一行に書く文字を揃えたりしません。行と行の間も均等にせずに広さを変えて書くこともあります。
紙全体を見てどの部分にどのように書くかが求められます。ここに字の線の太さや行と行の間の広さが加わることによって、散らし書きの美しさは左右されます。
変体仮名
変体仮名とは現代では使われることのない平仮名のことです。漢字を少し崩したような独特な形をしていますが、変体仮名も平仮名(女手)です。現代で使われているひらがなは明治時代に小学校令という法令で定められたものです。この小学校令で採用されなかった字体のかな文字が変体仮名です。つまり、江戸時代以前は一つの音に複数のかなや漢字が使われていました。
最初に万葉仮名が誕生した頃は、一つの音に対して一つの漢字が使われていました。ところが、時代が経つにつれて次第に一つの音に複数の漢字が使われるようになりました。(例:あ→安/阿/愛、い→以/伊/移/意etc.)平安時代末期には、同じ音でもあえて違う字体を使うことによって和歌の美しさを高めていたようです。
今でこそ変体仮名は使われてはいませんが、江戸時代以前では日常的に使われていた文字です。そのため、日本の古典作品に触れる場合にはこの変体仮名は避けて通れません。書道の場合は読めなくても構いませんが、やはりどんな変体仮名が使われているのか知っている方が俄然楽しみは増えますし、筆者の意図を汲み取る手助けになるかもしれません。
ご注意
変体仮名の説明で、現代では使われることのない平仮名と聞いて、「ゐ」や「ゑ」を想像した方もいるのではないでしょうか。実はこの二つの文字は変体仮名ではなく、ひらがなです。現在では「ゐ」は「い」、「ゑ」は「え」と表記されますが、もともとこの二文字は「い」や「え」とは異なる音を表す文字でした。したがって、ひらがな一音に一字が採用されたときにも「ゐ」と「ゑ」は残された字体です。現代のように使用されなくなったのは戦後になってからです。
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