字の形を意識して書こう
概形法とは?
日本語の文字は全てまったく同じ大きさ、形ではありません。細長いものから平たいもの、丸に近いものまであります。本来の字が持つ形を無視して、全て同じような大きさや形で書こうすると作品の見栄えが悪くなってしまいます。(これが、罫線入り下敷きを使うことのデメリットです)上手な字を書きたいと思っている人は、なるべく字が持つ形を意識して書くようにしましょう。ただし、偏だけを、あるいは旁だけを強調したいなど、あえて形を歪ませて書きたいときはこの限りではありません。
ちなみに、文字のおおよその形を概形(がいけい)といい、概形をとらえて漢字の形を学ぶことを概形法といいます。概形と、その形に当てはまる字の具体例を挙げていきます。
正方形の字
その名のとおり四角い字です。字によって正方形の大きさは異なります。画数が少ないものは比較的小さめに書くと綺麗におさまります。
正方形の字の例
三角形の字
「上」のような三角型から、「下」のような逆三角型、さらに「川」のように三角を横へ倒した形もあります。三角型なら下に行くにつれて大きめに書く、逆三角型なら下にいくにつれて小さめに書くといったように、三角の向きに合わせて各パーツの大きさを調整します。
三角形の字の例
△三角形
▽逆三角形
横向き三角形
ひし形の字
文字の上下の部分が小さく、真ん中の部分が最も大きいタイプの字です。
ひし形の字の例
長方形の字
長方形型の字には縦長のものと横長のものがあります。正方形に比べると細長く書くのがポイントです。
長方形の字の例
縦長の長方形
横長の長方形
丸の字
ひらがな特有の形です。
丸の字の例
台形の字
上記5つの図形に分類されなかった場合は、ほとんどがこの台形に分類されることだと思います。上の方が大きいものと下の方が大きいものの二種類に分かれます。
台形の字の例
台形
逆台形
大まかに分類すると上記の6つの図形になります。この図形を意識して書くだけでも文字のバランスをとるのが大変楽になります。これは毛筆に限らず硬筆でも同じことがいえます。お手本を見て、自分が書こうと思っている字はどの図形に似ているのかをお手本を見ながらじっくり考え、書くときはその図形を意識して書いてみてくださいね。
注意!
隷書体は他の書体と比べて扁平な字であるという特徴があります。その場合は書体の特徴(お手本)を優先してください。