習字で「藤」を書いてみよう!~楷書・行書・草書・隷書・篆書~
「楷書」で「藤」の書き方をマスターしよう!
![楷書で描いた木のお手本](images/h1-1fuji.jpg)
楷書はみなさんが小学校などではじめに習う書体であり、書の基本です。履歴書や宛名書きなど正しくキレイな字“美文字”が求められる場でも使われている書体です。そんな楷書での「藤」の書き方をまずは覚えましょう!
「藤」は画数が多いため、1本ずつの線にブレを作らないように意識して書きましょう。美しい文字に見せるポイントは4つ!
![縦線の長さに変化をつけ、右上がりを意識する](images/h1-1fuji01.jpg)
草冠の2本の縦線の長さを変えることで、よりメリハリがある文字に見せることができます。また、右上がりになるように意識するとよりバランスの良い字に仕上がります。
![月は細長く書く](images/h1-1fuji02.jpg)
「月」は細長くした方がスタイリッシュに見せることができます。
文字の縦線は人間の身体に例えると脚の部分になります。脚を長く見せるために、縦線はできる限り長く書きましょう。また、余白部分は同じくらいにしましょう。
![横線の長さに変化を付ける](images/h1-1fuji03.jpg)
横線の長さに強弱を付けることによってメリハリのある文字に見せることができます。
![「氺」は上の方に配置して書く](images/h1-1fuji04.jpg)
「氺」を上の方に配置することによって、14画目の縦線を長く書くことができます。人間と同じで、文字も脚(縦線部分)を長くすることにより、よりスタイリッシュに見せることができます。
これら4つのポイントを押さえて綺麗な「藤」を書けるように練習してみましょう!
楷書での書き順を覚えよう
「藤」の書き順はこちらを参考にしてください。
![楷書1画目](images/h1-1fuji-kaisho01.jpg)
![楷書2画目](images/h1-1fuji-kaisho02.jpg)
![楷書3画目](images/h1-1fuji-kaisho03.jpg)
![楷書4画目](images/h1-1fuji-kaisho04.jpg)
![楷書5画目](images/h1-1fuji-kaisho05.jpg)
![楷書6画目](images/h1-1fuji-kaisho06.jpg)
![楷書7画目](images/h1-1fuji-kaisho07.jpg)
![楷書8画目](images/h1-1fuji-kaisho08.jpg)
![楷書9画目](images/h1-1fuji-kaisho09.jpg)
![楷書10画目](images/h1-1fuji-kaisho10.jpg)
![楷書11画目](images/h1-1fuji-kaisho11.jpg)
![楷書12画目](images/h1-1fuji-kaisho12.jpg)
![楷書13画目](images/h1-1fuji-kaisho13.jpg)
![楷書14画目](images/h1-1fuji-kaisho14.jpg)
![楷書15画目](images/h1-1fuji-kaisho15.jpg)
![楷書16画目](images/h1-1fuji-kaisho16.jpg)
![楷書17画目](images/h1-1fuji-kaisho17.jpg)
![楷書18画目](images/h1-1fuji-kaisho18.jpg)
「行書」で「藤」の書き方をマスターしよう!
![行書で書いた藤のお手本](images/h1-1fuji-gyousho.jpg)
行書は楷書を崩した書体で楷書よりも短時間で書けるという利点があります。
手紙や走り書きでメモを取る時など、素早く書きたいときに使える書体です。
行書のポイントは
- 見た目が曲線的になっている
- 一部が省略して書かれている場合がある
- とめ・はね・はらいの部分が変化する
など
- 「はらい」が「とめ」に変わっただけのほぼ楷書と同じもの
- 複数省略して書いた草書に近いもの
どちらも行書になるため、崩し方によって文字の雰囲気はガラリと変わります。
今回は「藤」をより速く書くコツをお伝えします。「藤」を素早く書くためには、「点画を連続させる」書き方が一般的です。筆文字の魅力を最大限に発揮するために、1画の中に強弱を作り、より躍動的に見えるようにしました。
行書での書き順を覚えよう
「藤」は通常18画ですが、今回は13画で書く時の書き順画像をご用意しました。
![行書1画目](images/h1-1fuji-gyousho01.jpg)
![行書2画目](images/h1-1fuji-gyousho02.jpg)
![行書3画目](images/h1-1fuji-gyousho03.jpg)
![行書4画目](images/h1-1fuji-gyousho04.jpg)
![行書5画目](images/h1-1fuji-gyousho05.jpg)
![行書6画目](images/h1-1fuji-gyousho06.jpg)
![行書7画目](images/h1-1fuji-gyousho07.jpg)
![行書8画目](images/h1-1fuji-gyousho08.jpg)
![行書9画目](images/h1-1fuji-gyousho09.jpg)
![行書10画目](images/h1-1fuji-gyousho10.jpg)
![行書11画目](images/h1-1fuji-gyousho11.jpg)
![行書12画目](images/h1-1fuji-gyousho12.jpg)
![行書13画目](images/h1-1fuji-gyousho13.jpg)
始筆(起筆)は露鋒で軽く入ることで行書らしい柔らかみのある線が出ます。
草書・隷書・篆書の見本を見てみよう!
草書の見本を見てみよう!
![草書](images/h1-1fuji-sousho.jpg)
草書は画数が非常に少ないため、文字に余白を作りたいときに有効的な書風であります。
掛け軸などで見かける英語の筆記体のような書体で、まるで暗号のように簡単に読み解くことができない書体です。
草書で「藤」を書くときのポイントは、リズムを意識して書くということです。「藤」は画数が多いために一定の速度で書くと寸胴な印象になってしまうため、速く書く箇所とゆっくり書く箇所を作りました。
また、草書には書き方の多様性がありますので、今回は余白が多くなるような字形を選択しました。そうすることによって、画数の多い「藤」もゆとりのある文字に見せることができます。
隷書の見本を見てみよう!
![隷書](images/h1-1fuji-reisho.jpg)
隷書は日本の紙幣で使われている書体です。お札を見てみると「日本銀行券」や「壱万円」といった文字が書かれていますよね。その書体が隷書です。
中華街で良く見られる書体であるように、お店の看板やお菓子やお酒のパッケージなどにも使われているので、探してみると意外と身の回りで見つけることができる書体です。
そんな隷書は一定の速さで書き進め線の強弱をなくすことと、水平に書くことがポイントです。楷書や行書などは右上がりを意識していくことが大切ですが、隷書の場合は右上がりになってはいけません。
隷書で「藤」を書くときのポイントは、横線を右上がりにならないように水平に書くということです。水平といっても真っすぐ定規で引いたような線ではなく、書き始めと書き終わりが同一線上にあるのならば、線の中間部分をやや膨らませるなどの工夫があっても面白いかもしれません。
篆書の見本を見てみよう!
![篆書](images/h1-1fuji-tensho.jpg)
篆書はパスポートや印鑑(印章)で使われている書体で、漢字の中で最も古い書体です。パスポートの表紙に独特な字形で「日本国旅券」と書かれていますよね。その書体が篆書です。篆書は縦長の字形が非常に多く、線の太さも均一にします。
篆書で「藤」を書くときのポイントは、全体的に文字を縦長に書くということです。篆書も隷書と同様に、横線が右上がりにならないように水平に書くようにします。
また、「藤」は画数が多いため、線と線を詰めすぎずに余白を作ることを心がけて書きました。
草書・隷書・篆書は、中国古典を学びながら、字形を覚えていきます。日本においては書道教室の先生が中国の古典を元にして臨書した作品をお手本にして学ぶことが多いです。
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