硯のお手入れ方法
概要
硯を洗わないでそのまま放置してしまうと残った墨が固まり、墨を磨ることもままならなくなってしまいます。墨は完全に乾いてしまうと水で洗う程度ではなかなか取れませんので、筆と同様に硯も使ったらその都度洗うようにしましょう。ここでは硯の適切なお手入れ方法と墨を擦りにくくなってきた場合の対処法について説明しています。
硯のお手入れ方法
硯に残った墨をふき取る
海に溜まった墨や陸(墨を磨る部分)に残った墨を反古紙で拭き取ります。この時、ゴシゴシと強く擦るように拭くと紙の繊維が硯にくっついて目詰まりが起こってしまうので注意してください。学校や出先などですぐに硯を洗うことができない状態ならば特に入念に拭いてください。
水洗いする
流水に当てながら柔らかいスポンジや脱脂綿で硯を擦ります。特に陸には墨がたまりやすいので丁寧に洗いましょう。間違ってもタワシや歯ブラシ等の固いもので擦らないでください。硯の表面に傷がついてしまい、墨を磨る妨げになります。また、蛇口で硯をぶつけたり、誤って落としたりすることがないよう周りに注意して硯を持ちましょう。
硯を乾燥させる
洗い終わったら柔らかい布などで水分をふき取ってから十分に乾燥させます。これでお手入れは完了です。
使い終わってから時間が経ってしまった硯は、30分ほど水に浸してから洗うと墨が落ちやすくなります。墨が完全に固まってしまうと水ではなかなか落ちないので、遅くても2,3日以内には必ず洗うようにしましょう。
墨が磨りにくくなってきたら
硯はきちんと手入れをしていても鋒鋩が摩耗してしまったり、隙間に目詰まりが起きたりして次第に墨の磨りが悪くなっていきます。そんな時は、硯専用の砥石をかけて目詰まりを取り除くことで復活させることができます。これを、鋒鋩を立たせる(目立て)といいます。
また、新品の中国製の硯(唐硯)で表面に蝋が塗ってあってなかなか墨が磨れない場合も同様に砥石にかけてください。
砥石のかけ方
- 硯をよく水で濡らす(硯に水を張る)
- 墨を磨るときと同じ要領で砥石を書ける。強く擦りすぎると硯が傷つくので注意
- 砥石が溶けて水がどろどろしてきたら洗い流して完了!
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