筆巻きについて

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筆巻き

筆巻きとは?

 筆巻とは使い終わった筆を持ち運びする際に使うものです。細長く切った竹を糸でつなぎ合わせて作られています。巻き寿司を作るときに使用する巻き簾と同じ形をしています。この巻き簾の一方の端に紐が付けられており、その先端には笹止めという筆巻を固定するための留め具があります。

 筆巻は他の書道道具とは違って価格の幅が小さく、どれも安価に購入できます。より上質なものほど竹の本数が多く、優しく筆を包むことができるようです。基本的にどんな筆巻を使用しても構いませんが、色付きの筆巻を使用する際は染料が落ちやすく、筆や衣服に付いてしまう場合があるので注意してください。

 なお、プラスチックや布でできた筆を保管する道具もあるようですが、持ち運びの際に筆が上下して蓋の部分に穂先が当たり、筆を痛めてしまうこともあるようなのであまりおすすめはしません。

筆巻きの使い方

 筆巻を開いたら笹止めがついていない方の端に筆を置き、巻き寿司の要領でくるくると筆を巻いていきます。このとき、筆の水気はしっかりと拭き取るようにしてください。巻き終わったら、笹止めがついている紐でさらに筆巻をぐるぐると巻きます。最後に、笹止めを巻いた紐に挟み込んで留めます。これをしっかりと行わないと、筆が横から抜け落ちてしまいます。持ち帰った後はできるだけ早く筆を取り出し、筆巻を開いたまましっかりと乾燥させます。

使うときの注意点

 筆巻は持ち運び用の道具であり、筆を長期保存する道具ではありません。一見すると風通しのよさそうな造りをしていますが、それほど通気性は良くありません。使用済みの筆を巻いたまま長時間放置するとカビが生えてしまいます。あくまで一時的に筆を収納するための道具だと考えてください。

 また、使用済みの筆には当然墨がついているので筆巻にも墨がついてしまうことがあります。そんな時でも筆巻は洗わないようにしてください。カビの原因になりますし、色付きの筆巻を使っている場合は洗うと筆巻についている染料が取れて筆に移ってしまいます。新聞紙や反古紙を筆に巻いてから筆巻を巻けば、いくらか汚れを防ぐことができますが、どうしても筆巻の汚れが気になるという方は思い切って筆巻を買い替えてください。