畳に墨をこぼしてしまった場合の対処法

概要

  墨で畳を汚してしまった時は、洋服などと同様になかなか落とすことはできません。家で書道をする時や、書初めの課題をする時に墨で畳を汚してしまうことはよくあることです。ここでは、身近なものを使って畳にこぼしてしまった墨の汚れを落とす方法をご紹介します。

目次
畳

身近なものを使って落とす方法

 墨の粒子は非常に細かいので、畳にこぼしてしまうとなかなか汚れは落ちません。さらに、ゴシゴシと強く拭いてしまうとかえって汚れが広がってしまう原因となります。

 ですから、畳に墨をこぼしてしまった時は落ち着いて、早めに対処することが重要です。ここでは身近なものを使って墨を落とす4つの方法を解説します。

 ※墨が完全に落ちることは保証いたしかねますのでご了承ください。

中性洗剤を使う

 中性洗剤は多くの汚れに対応することができ、畳に落ちてしまった墨にも効果があります。

 中性洗剤を使う前に、まずはティッシュで墨をそっとふき取りましょう。その後、水で薄めた中性洗剤(200ccの水に対して5滴ほど)を霧吹きで吹きかけます。 すると墨が浮き上がってくるので、ティッシュでふきとります。これを3~4回ほど繰り返してください。周りを汚さないように、汚れの周囲もティッシュで保護するようにしましょう。

 最後の仕上げとして、歯ブラシで畳の目に沿って汚れた部分をこすり、浮き出てきた汚れをティッシュでふき取ります。これで汚れはだいぶ落ちますが、ドライヤーで乾かしてから砂消しゴムで汚れた部分をやさしくこすると、より目立たなくなります。 乾ききる前のシミならば効果がありますが、墨が付着してから時間が経ちすぎた場合には効果が出にくいようです。

小麦粉を使う

 意外かもしれませんが、小麦粉やホットケーキミックス粉などの乾いた粉は畳にこぼしてしまった墨に対して有効です。ただし、この方法は墨が乾燥していない段階の時に効果があります。

 まず、乾いていない墨の上にティッシュをのせて、墨を吸い込ませます。ティッシュだけでは吸い取れていないと感じた場合は、布を使って吸い込ませるのもよいでしょう。 吸収がある程度終わったら、その上に小麦粉などの粉を覆うように振りかけ、人差し指の腹で墨と粉をぐるぐると合わせていってください。次第に墨が粉となじんでダマ状になります。

 粉がダマ状になり、墨の汚れが薄くなったら掃除機をかけて粉ごと吸い取ります。これである程度の墨を落とすことができるでしょう。

歯磨き粉を使う

 歯磨き粉は畳や服についた墨のどちらにも有効です。小麦粉を使っても墨が残っている場合などは活用してみましょう。

 汚れた墨の上に歯磨き粉をのせ、上から要らない歯ブラシなどでぐるぐると擦っていきます。10回ほど円を描くように擦ったら、乾いた布でふき取ってください。そして、最後に濡れた布でこすったら墨が落ちていきます。

 ちなみに、この方法は墨がまだ乾いていなければ、歯磨き粉ではなく炊いたご飯粒でも代用が可能です。

大根おろしを使う

 余った大根おろしも畳に落とした墨を落とす効果が期待できます。墨がまだ乾いていない状態だったら試してみて下さい。

 はじめに小皿程度の大根おろしを墨が染みついた畳に置きます。そのまま30分間放置すると、大根が持っている辛味成分の力で墨がきれいに畳から浮かんできます。最後に大根おろしごとティッシュでぬぐい取り、その部分をから拭きすれば完了です。

砂消しゴムを使う

 基本的に畳に落ちた墨はすぐに対処するのが良いですが、砂消しゴムを使った方法は、乾燥してしまった墨に対しても効果があります。

 最初にこぼした墨をティッシュでやさしく吸い取り、その後湿気を与えないように注意し、できれば畳ごと一週間ほど外で干します。こうして乾燥させた墨を砂消しゴムで文字を消すようにこすります。すると、字が消えていくように墨が落ちていきます。少しシミが残ってしまいますが、それでもかなりきれいに消すことができます。

 長い間気になっている墨汚れがある場合や、こぼした墨が乾燥してしまった場合この方法を試してみるのも良いかもしれません。

まとめ

 畳は墨をよく吸収してしまうので、畳の裏側まで染み込んでいってしまう可能性もあります。もしも墨を畳にこぼしてしまった場合は、以上の対処法を試すのが良いでしょう。 また、予防策として新聞紙やレジャーシートを敷くのもオススメです。特に子供が家で習字の宿題を行う時などは気を付けたほうが良いでしょう。