「一期一会」を美しく書くコツ
各文字(一・期・一・会)を美しく書くコツ


今回は書初めにおすすめの言葉について解説させていただきます。
今回は「一期一会」(いちごいちえ)です。
一期一会とは、一生に一度だけの出会い(機会)という意味で、出会いを大切にするという意味合いが込められています。
「一期一会」の中で「期」の画数が多いため、文字内の余白が小さくならないようにやや大きく書くことがポイントです。
反対に画数が少ない「一」は、文字が大きくなりすぎると間延びしてしまうため、「期」よりも気持ち小さく書くことがポイントです。
そして、「会」はその間ぐらいの大きさに書きます。
楷書では、一画一画を丁寧に書いていきましょう。
「一」を楷書で書くときのコツ
斜め上に向かって書くことにより、スタイリッシュな印象になります。シンプルな文字であるため、角度をつけることにより単調な印象を避けることができます。

表現の変化をつけるために、横線の中心箇所にくびれを作ります。くびれをつくることにより、すっきりした印象になります。

「期」を楷書で書くときのコツ
縦線2本あるときは、基本的に右の方が太くなるように書きます。その結果、文字の立体感が増して、バランスを取りやすくなります。

スケールを大きくみせるために、6画目の左側を長く書きます。基本的に、文字は一点を強調するのがおすすめです。そうすると、文字の規模が大きく、またメリハリのある印象になります。

縦線が2本あるとき、基本的には右の方を太くします。特に、文字の中で最も右に配置される画は、太く書きます。

月の下に余白ができて、文字の脚が長く見えます。横線は、上へ、上へ、という意識を持ちましょう。

「会」を楷書で書くときのコツ

人がしらであるため、「入」という文字と間違えないように気をつけましょう。

3画目、4画目の横線を右斜め上に向かって書き、6画目を右斜め下に向かって書くことで、4画目と6画目の間に余白がうまれ文字のバランスが良く見えます。
楷書で横線を書くときはやや右上がりなるように意識して書くと綺麗な文字に仕上がります。

5画目の折曲がり部分より、6画目が下に下がると重たい印象になってしまうため、5画目の折曲がり以降右上がりになるように意識して書きましょう。
行書のお手本


行書は流れるように書くことで文字が躍動的に見えます。常に次の画のことを考えて書くことにより、一文字の中の繋がりがあるように見えます。
どの文字も点画を連続させすぎると余白が狭く見えてしまうため、一部だけ点画を連続させて書きました。軽やかに手の力を抜いて書きましょう。
草書のお手本


草書は余白を充分にとることにより、安定した印象になります。
作品構成をゆとりがあるように見せるためには、草書を使用することをおすすめします。
日本では、掛け軸で使用されていることが多いです。最近では、和菓子のパッケージでもよく見られます。
隷書のお手本


隷書の特徴は水平に書くこと、一定の速さで書き進め、線の強弱をなくすことです。文字の中に「波磔」があることも特徴です。
横長に平たく魅せるために縦線を短く書くことと、楷書のように右上がりになってはなりません。
本格的な書表現に挑戦してみたい方には、隷書がおすすめです。中華料理店の看板でよく見られる書体ですね。
篆書のお手本


篆書は完成が縦長の字形が非常に多く、線の太さも基本的には均一にします。
文字の背が高くてすっきりとした印象にみせたいときにおすすめの書体です。
基本的に左右対称ですが、古典分析をすると、微妙に左右非対称です。そこに注目することが書道の醍醐味です。身近なものですと、パスポートの日本国、という文字が篆書です。
書道アート風に書いた作品


書道アートの分野においては、「古典書道」の概念から一度離れることが大切です。
始筆や終筆、そして運筆の方法は、書道アートのときには従来の本格中国書法の書き方とは大きく異なります。書道初心者の方が筆文字に触れて、その成果を少しでも早く作品にして公表したい、というときにおすすめの表現方法です。
私は、彩墨を使用して書かせていただきました。濃淡をつけて、表現の変化を見出したのがポイントになります。
いかがでしたでしょうか。同じ書道の文字でも、書体が変われば文字の雰囲気も多いに変わります。皆様も、是非、様々な書体で書道を楽しんでみてくださいね。
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