習字で「莉」を書いてみよう!~楷書・行書・草書・隷書・篆書~
「楷書」で「莉」の書き方をマスターしよう!
楷書はみなさんが小学校などではじめに習う書体であり、書の基本です。
履歴書や宛名書きなど正しくキレイな字“美文字”が求められる場でも使われている書体です。そんな楷書での「莉」の書き方をまずは覚えましょう!
「莉」はスケールが大きく見えるようにはらいを長くするように意識して書きましょう。美しい文字に見せるポイントは3つ!
「禾」と「刂」の間に余白があると、1つの漢字であるのにバラバラに見えてしまいます。
まとまりのあるバランス(見た目)の良い漢字に仕上げるために、5画目をくさかんむりよりも左に飛び出して書きます。
さらには、6画目の縦線を右寄りに配置することで「禾」を文字の中心に寄せることができます。
10画目を力強く書くことで、文字が引き締まって見えます。9画目の縦線より力を入れて書きましょう。
10画目のはねの方向が文字の中心部に向かっているとまとまりがよく見えます。ゆっくり丁寧に跳ね上げましょう。
これらのポイントを押さえて綺麗な「莉」を書けるように練習してみましょう!
楷書での書き順を覚えよう
「莉」の書き順はこちらを参考にしてください。
「行書」で「莉」の書き方をマスターしよう!
行書は楷書を崩した書体で楷書よりも短時間で書けるという利点があります。
手紙や走り書きでメモを取る時など、素早く書きたいときに使える書体です。
行書のポイントは
- 見た目が曲線的になっている
- 一部が省略して書かれている場合がある
- とめ・はね・はらいの部分が変化する
など
- 「はらい」が「とめ」に変わっただけのほぼ楷書と同じもの
- 複数省略して書いた草書に近いもの
どちらも行書になるため、崩し方によって文字の雰囲気はガラリと変わります。
「莉」を素早く書くためには、「点画を連続させる」書き方が一般的です。
また、楷書との違いを出すために直線部分を、できるだけ曲線に変更し、書体ごとの違いを出しました。
行書での書き順を覚えよう
「莉」は通常10画ですが、今回は9画で書く時の書き順画像をご用意しました。
始筆(起筆)は露鋒で、楷書に比べると気持ち軽く入ることで行書らしい柔らかみのある線が出ます。また、行書の流れをより出すために、2画目と3画目は繋げて書きました。
草書・隷書・篆書のお手本を見てみよう!
草書のお手本
草書は画数が非常に少ないため、文字に余白を作りたいときに有効的な書風です。
比較的、草書には曲線が多いため、その曲線の膨らみ加減がどのくらいであるかにより、表現の多様性を生み出すことができます。
また、点画を連続させることによってまとまりのある文字に魅せることができます。
草書で「莉」を書くときのポイントは余白の広さを好みの広さにすることです。斜め線が多いため、できるだけ左右に広げて、横線のように書くことを意識しました。草冠は、おおよそ左右対称になるようにしましょう。
隷書のお手本
隷書は日本の紙幣で使われている書体です。お札を見てみると「日本銀行券」や「壱万円」といった文字が書かれていますよね。その書体が隷書です。
他にもお店の看板やお菓子やお酒のパッケージなどにも使われているので、探してみると意外と身の回りで見つけることができる書体です。
そんな隷書は一定の速さで書き進め線の強弱をなくすことと、水平に書くこと「波磔」を入れることがポイントです。
隷書で「莉」を書くときのポイントは、文字を平たくすることです。そのためには、縦線を短く、尚且つほとんど横線に近い斜め線として書きましょう。決して右上がりにならないようにしてください。
篆書の見本を見てみよう!
篆書はパスポートや印鑑(印章)で使われている書体で、漢字の中で最も古い書体です。パスポートの表紙に独特な字形で「日本国旅券」と書かれていますよね。その書体が篆書です。篆書は縦長の字形が非常に多く、線の太さも均一にします。鋭い印象の書体です。
篆書で「莉」を書くときのポイントは、全体的に文字を縦長に書くということです。ほぼ縦線に近い書き方で大丈夫です。
また、「莉」のように複数横線がある場合は、1番下の線を長く書く傾向が見られます。さらには、くさかんむりを篆書で書いたとき、一見左右対称に見えますが、じっくり見ると少し変化があります。これは古典を観察すると分かります。
このお手本では、草冠を左右対称に見えるけど、実は太さに少し変化を出して味わいが出るようにしました。
草書・隷書・篆書は、中国古典を学びながら、字形を覚えていきます。日本においては書道教室の先生が中国の古典を元にして臨書した作品をお手本にして学ぶことが多いです。
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