習字・書道の先生になるには師範や公的資格を取得しよう

目次

習字・書道教室の先生に資格は必要?

 習字や書道教室の先生になるにあたり、資格はとくに必要ありません。相応のスキルと働ける環境さえあれば書道の先生になることは可能ですが、会派に所属していて、「師範」という肩書を持つ書道の先生が多いのが実情です。

 所属する団体によっては師範免状(資格)を取得すると〇〇支部という形で教室を開講することができますし、「師範」という実績があることで教室を開いた際に生徒さんが集まりやすくなる、というメリットもあります。

師範になるには?

 師範とは、書道の各会派、団体ごとに定められた基準で認定されるもので、統一的なものではありません。

 それぞれの会派や団体での昇級、昇段試験に合格していくことで最高位の師範を目指すことが可能です。書道の師範になるために年齢制限はなく、スキルを磨きさえすれば世代を問わず資格が取得できるのも大きな魅力と言えます

 書道の会派には教育系の会派と芸術系の会派がありますが、正しい書き順(筆順)や「とめ」「はね」「はらい」などを教える教室を開くには教育系の会派に属し、そこの師範の免状(資格)を取ることを目指すと良いでしょう。

 ここではいくつかの教育系会派の師範になるまでの道のりについて簡単にご紹介します。

日本書道教育学会

日本書道教育学会

 公益財団法人 日本書道教育学会は、東京・大阪・神奈川・新潟・福岡の書道教室(書学院)をはじめ、専門学校や通信教育も行っており、生徒数が全国で10万人以上もいる創立70年を越える書道団体です

 日本書道教育学会の書道教室である「書学院」の書道師範コースでは、基本的な実技や理論だけでなく、書道の指導方法まで学ぶことができます

 カリキュラムは4ヵ月で一期とされており、基礎科(基礎Ⅰ+基礎Ⅱ)8カ月、専攻科(専攻Ⅰ~専攻Ⅳ)1年4カ月の合計2年のカリキュラムの全過程修了で書学院卒業となり、希望した人は師範試験への受験が可能となります。

入学金(一般の場合) 1万円(※65歳以上の方は免除、学生は7,500円)
授業料(一般) 合計39万800円(※学生割引あり)(2020年度)
基礎Ⅰ 6万円
基礎Ⅱ 6万円
専攻Ⅰ 6万円
専攻Ⅱ 6万円
専攻Ⅲ 7万5千円
専攻Ⅳ 7万5千円
副教材代 800円
師範試験の受験料 2万5千円

 全て合わせると一般の場合、42万5,800円になります。※学生の方は入学金と授業料が割引になります。詳しくは日本書道教育学会にお問い合わせください。

 公益財団法人 日本書道教育学会 公式HP

日本書作家協会

日本書作家協会

 公益社団法人 日本書作家協会は通信教育で学ぶことができる創立60年を越える書道団体です。日本書作家協会で書道教師(師範)の資格を取得するためには、日本書作家協会公認の全国書道教授資格認定試験を受験し合格していく必要があります。※こちらの試験は書作家協会に所属していなくても18歳以上であれば受験することができます。

 全国書道教授資格認定試験は2月と8月の年に2回実施されています。一次試験~四次試験まであり、一次と二次試験は半紙作品のみの試験となっており、三次と四次試験はそれぞれ決められた項目の勉強を終えてから受験することができます。四次試験に合格すると書道教師という師範の資格を取得することができます。

入会金 4,400円
会費 ひと月あたり840円
受験料 各5,500円
登録料
一次試験 25,300円(税込)
二次試験 37,430円(税込)
三次試験 49,500円(税込)
四次試験 71,500円(税込)

 公益社団法人 日本書作家協会 公式HP

日本習字

日本習字

 日本習字は、漢字部/ペン部/くらしの書/かな部/臨書部/墨画部/幼児部・小学部・中学部と非常に多くのコースから自身の好きなコース学ぶことができる、創立65年を越える書道団体です

 日本習字の師範免許を取得するためには、メインコースである漢字部で基礎~応用までを学び、習字師範免許を取得するという流れになります。師範免許取得までにかかる年数は最短で5年、平均8年になります。

漢字部を通信で受講した場合にかかる費用
入会金 高校生以上2,000円、中学生以下1,000円
会費 12か月で13,200円
師範免許を取得するには最短でも5年かかるため、5年分で66,000円

 ※教室に通う場合は別途月謝がかかります。月謝は通う教室によって異なるため、希望する教室にお問い合わせが必要になります。

 日本習字 公式HP

 上記のように所属する会派によって師範になるまでにかかる年数や費用など大きく差があることがわかります。

学校の習字・書道の先生になるためには?

 学校の習字や書道の先生になるためには、大学で教職過程を学び「教員免許」を取得する必要があります。

 小学校、中学校では国語の中で習字を扱うため、小学校なら「小学校の教員免許」、中学校なら「中学校教諭免許状【国語】」がそれぞれ必要です。また、高校で書道を教える場合は「高等学校教諭免許状【書道】」が必要なのですが、高校での書道講師の採用枠は少ないため、多くの人が「高等学校教諭免許状【国語】」も併せて取得しています。

 学校で書道教員のみとして採用してもらうためには履歴書で書道の実績をアピールするのも良い手段です。

 段位や師範の資格は履歴書に書くことができませんが、公的資格である「毛筆書写検定」は資格の欄に書くことができます。この資格の1級合格率は非常に低いため、「平成〇年度 第〇回文部科学省後援毛筆書写技能検定1級 合格」と記載されていると一目置かれるでしょう

書道に公的資格はある?

 一般的な認知度は低いですが、書道にも公的資格が存在します。上記でも少し触れた『日本書写技能検定協会』が運営している「毛筆書写検定」や、『社団法人日本書作家協会』による「文部大臣認可 全国書道教師資格認定試験」が書道の公的資格です。

 公的資格とは民間資格の中で文字科学省などの各省庁や大臣からの認定(お墨付き)をもらっている資格のことです。各会派や団体の設けている段位や師範免許は所属する会派のみで評価される民間資格のため履歴書には記載することができませんが、公的資格である「毛筆書写検定」や「文部大臣認可 全国書道教師資格認定試験」は履歴書の資格の欄に書くことができます

毛筆書写検定

 「毛筆書写検定」は文部科学省後援の書の検定試験として公的性が認められています。

 検定試験は年に3回実施されており、最上位の1級の合格者は10%前後と少なく、合格者には「指導者証」が交付されます。

全国書道教師資格認定試験

 「全国書道教師資格認定試験」は文部科学大臣認定の資格認定試験です。

 一次から四次までの認定試験が行われ、最終の四次試験に合格することで「書道教師」という師範の資格取得が可能になります。

まとめ

 書道の先生になるために必要な資格などをご紹介しました。学校の書道の先生になりたいのか、書道教室を開きたいのかで、求められる資格も変わってきます。

 目的をもって書道に打ち込むことは上達への近道になるので、将来を見据えて資格取得に挑戦してみるのもおすすめです。

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