文鎮について

概要

 書道には筆・墨・紙・硯の他にもいくつかの道具を使います。必須の道具ではありませんが、知っておいて損はないのでそれぞれ紹介していきます。

目次
文鎮

文鎮とは

 書道で使う半紙は薄くてとても軽いので風で簡単に飛ばされてしまいます。筆を持たない方の手で押さえることになりますが、片手ですのでやはり限界があります。他にもツルツルした紙を使っていたり、筆を持つ手に力が入りすぎたりすると、筆が紙にくっついて紙が動いてしまいます。そこで文鎮の出番です。使い方はいたって簡単で、ただ半紙の上に乗せるだけです。

 文鎮とは、紙や書類が飛ばないように重しとして乗せる文房具のことです。「重石」や「ペーパーウエイト」ともいいます。文鎮は主に鉄や真鍮といった金属の他、ガラスや樹脂で作られています。四角い形のものから円形のものまで様々な形の文鎮がありますが、書道でよく見かけるのは取っ手の付いた細長いものや短い棒状のものです

文鎮の選び方

 素材はどんなものでも構いませんが、表面が樹脂でコーティングされた文鎮は錆びにくいのでおすすめです。

 大きさは半紙の大きさに合わせると長いものは18~22cm、短いものだと12cm前後が使いやすいでしょう。重さは半紙サイズのものであれば160gあれば十分ですが、よりしっかり紙を固定したい人や、半紙よりも大きな紙を使う人は重めの文鎮を選んでください。

置き方あれこれ

 文鎮には特に決まった置き方はないので好きなように使って構いません。中にはどんな大きさの紙でも文鎮は使用しないという方もいるようです。とはいえ、ほとんどの方は文鎮を使用することと思いますので、いくつか文鎮の置き方を紹介していきます。

  1. 右上の角に斜め置き……一行目を書く時に
  2. 左上の角に斜め置き……二行目を書く時に
  3. 上方に平行置き……長めの文鎮を使うときに
  4. 左右上の角に斜め置き(ハの字におく)……短めの文鎮を二本使用して

 この四通りの置き方の中で最も紙が安定する置き方は4つ目のハの字に置く方法です。初心者の方はまず二本組の短めの文鎮を購入して左右両方の角に置いて字を書いてみてください。原則文鎮は半紙の上の方に置きます。紙の下の方は手で押さえましょう。(書き初めなど大きめの紙を使う場合は四隅に置いてもかまいません)