下敷きについて

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下敷き

下敷きとは?

 書道半紙は薄くて水分を吸収するので、下に何も敷かないまま字を書いてしまうと吸い込んだ墨が吸収しきれずに机や床に墨が写ってしまいます。それを防ぐために使用するのが下敷きです。下敷きも文鎮と同じく必要不可欠のものではありませんが、机を汚さないためにも、綺麗な滲みを出すためにも、なるべく使用するようにしましょう。

 下敷きにしわが寄っていたり、折り目がついてしまったりしていると、書いているときに筆が引っかかって作品をダメにしてしまう恐れがあります。丁寧に扱うようにしましょう。

いろいろな下敷き

 下書きには主に、羅紗ラシャフェルト製の二種類があります。この二種類の下敷きにはそれぞれ、

  • ラシャ製…しっかりとしていて硬め。手洗い可。シワになりにくい
  • フェルト製…ラシャより柔らかく、弾力がある。手洗い不可。

といったような特徴があります。なお、毛氈もうせんと呼ばれる下敷きもありますが、これはフェルトの一種なので特徴もほとんど変わりません。

 下敷きには基本的に裏表が無いのですが、中には滑り止めに片面を机に張り付くよう加工してあるものもあります。この場合はツルツルした面が裏になります。

 下敷きの中には紙の中心に線が引かれたものや、文字を書く目安に罫線や四角い枠がプリントされたものもあります。これについては後述の「罫線、枠線入りの下敷きについて」を参考にしてください。

下敷きの選び方

 下敷きの厚さは1mm~3mmが多いようですが、1mmだと薄くて折り目がつきやすいので2mm以上のものがおすすめです。色も黒・白・臙脂など種類がありますが、やはり暗い色の方が汚れは目立たないので気になる人は無難に黒を選びましょう。素材についてはフェルトとラシャの好きな方を使って構いません。

 大きさは紙が下敷きからはみ出ることが無いよう、必ず紙よりも大きいものを選んでください。当然ですが半紙には半紙サイズの下敷きを、書き初めには書き初めサイズの下敷きを、というように紙の大きさにあった下敷き使用してください。そんなこと言われても普段書かない紙用の下敷きまで用意できないよ!という方に朗報です。下敷きは4、5枚ほど重ねた古新聞や厚手の手芸用フェルトで代用することができます。ただし、ビニールなどの水をはじく素材だけは使えません。

罫線・枠線入りの下敷きについて

 罫線入りの下敷きを使うと紙に罫線が透けて見えます。この線を目安にすれば初心者でも字の配分がしやすく、全体的にバランス良く字を書くことができるので大変便利です。が、いくつかデメリットもあります。

罫線入りの下敷きを使うメリット
  • 紙に対する字の配分がしやすい
  • 紙を折る手間が省ける
罫線入りの下敷きを使うデメリット
  • 文字の大きさがすべて一緒になってしまう
  • 慣れてしまうと下敷きなしで書くのが難しくなる→枠に囚われてしまう

 綺麗な字を書くのではなく、オリジナリティを出すことを目的とした書道では、枠に囚われすぎてしまうというのはとても大きなデメリットだと思います。とはいっても、字の大きさや配分の感覚を掴むためには目盛りや罫線入りの下敷きが有効です。初心者のうちは罫線入りの下敷きを使って感覚を学んでみてはどうでしょうか。