書道を活かした仕事たち~書道家・書道教室の先生・学校の先生・筆耕士など~
趣味や習い事として書道経験を積んでいくうちに、「書道経験を仕事に活かせたらいいな」と考えるようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような方のために、書道の知識や技術を活かすことのできる仕事をご紹介します。
書道家
芸術家として「書」の道を極め、書作品の制作販売によって生計を立てる仕事です。展示会に出展したり、個展を開催して自分の作品を販売したりするなどの方法で収益をあげます。純粋な書道家の活動のみで生計を立てる方もいますが、並行して「商業書道家」として活動している人も多いです。
商業書道家
企業などから依頼を受け、お店のロゴや看板、Tシャツや商品のパッケージデザインなどを作成する仕事です。依頼主側のイメージしているものを忠実に再現する必要があるため、意図をくみ取る力が必要になります。
商業書道家として活動するためには企業側からのオファーが必要になります。オファーを集めるためには書道家として知名度を上げていくことが必要なため、SNSで自身の作品を投稿し、宣伝活動してみるなどしてみましょう。
依頼を受けて作品を作成するため、デザイン料や著作権譲渡料などが報酬としてもらえます。
書道教室の先生
自宅や地域のカルチャー教室などで、書道を教える仕事です。
生徒からの月謝や受講料が収入になります。必ず持っていなければならない資格はありませんが、所属している書道協会や団体で「師範」などの最上位に該当する資格を取得しておくと、一定の実力や実績があることを対外的に示すことができます。
書道の技術はもちろん必要ですが、先生である以上、人に教える技術も必要です。また、教室の開催場所や備品の準備、生徒集客や広告宣伝といった運営面も業務に含まれます。
学校の書道教員
小学校・中学校・高等学校など、学校教育の場で書道を教える仕事です。学校で書道を教えるには、各校種の「教員免許」が必要です。
小学校の場合は「小学校教諭免許状」、中学校の場合は「中学校教諭免許状(国語)」、高等学校の場合は「高等学校教諭免許状(書道)」のように、それぞれ必要な免許が異なります。
小・中学校では「書写」として、正しく綺麗な字を書くことから始め、高等学校では芸術科目の「書道」として、より幅広い書の活動に取り組むようになります。高等学校でも、書道のみを教えるケースはあまり多くなく、国語など他教科とあわせて免許を取得する方が多いです。
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筆耕士
賞状や宛名書きをはじめ、式辞、熨斗、卒業証書、目録、看板など様々な文章の文字を筆やペンで美しく読みやすい文字を書く仕事です。年齢制限はなく、本業を別で持ちながら筆耕を副業にしている人も多くいます。
誰の目から見ても読みやすい文字が求められるため、個性を強く出した文字よりは、癖がなく整った文字を書けることが重視されます。スキルは、筆耕を専門としている先生に師事する、通信教育の講座で学ぶ等の方法で習得することができます。
また、仕事をする上で有利になる資格としては「賞状書士」や「賞状技法士」が挙げられます。実際に仕事をするとなると、筆耕会社や百貨店に就職する、個人事業主として仕事を受注する等の方法があります。「毛筆人材バンク」に登録することで官公庁や企業からの職業紹介が受けられるシステムもあります。
書道から派生した仕事
書道とアートを融合させた作品を作る「書道アーティスト」、書を書き上げる姿をパフォーマンスとして魅せる「書道パフォーマー」、贈り物として重宝される詩の中に人の名前を織り込んだメッセージ作品を作る「ポエム作家」など、書道から派生したユニークな仕事もあります。
書道と何か別のものを組み合わせることで新しい表現や価値を生み出し、仕事にしている方もいるということですね