筆に慣れよう
筆で書いてみよう
筆の持ち方や姿勢を覚えたら、筆で書いてみましょう。初めての方は巧拙など気にせず筆に慣れるつもりで書きましょう。
筆に墨をつける
墨池に溜まった墨の中に静かに筆を落とします。十分な量の墨があれば筆を振ったり硯に押し付けたりしなくても筆は墨を吸い込みます。筆の表面だけに墨をつけるのではなく、筆の毛の芯までしっかりと染み込ませるようにしましょう。
十分に墨を含んだら、縁や陸の部分で余分な墨を軽く落としてください。そのまま書こうとすると筆を持ち上げたときに墨が垂れたり、紙に墨が滲みすぎて細かい字だと潰れたりしてしまいます。二度、三度毛先を縁に優しく押し当てて墨を落としましょう。
紙に書いてみよう
まずは自分の好きなように書いてみましょう。ここでは筆に慣れることが大切ですので、書くものや文字にこだわる必要はありません。漢字やひらがななどはもちろん、曲線や直線の他にも○や△、渦巻きといった模様も書いてみましょう。
しばらく書いていると線が擦れてくると思います。これは、筆が含んでいる墨の量が少なくなったことで毛のまとまりが悪くなったためです。このまま書き続けても味のある字を書くことができますが、擦れた字のままだと単調になってしまうので再び墨を含ませましょう。何度か繰り返し書き続けていくとどのくらい墨を含ませればどの程度滲むのか、擦れるのかがなんとなく分かってきます。
次に強弱をつけて書いてみましょう。線の太さが変化します。強く書けば線は太くなり、弱く書けば線は細くなります。柔らかい筆(柔毛筆)を使用している場合は特にその表れ方は顕著です。線の強弱は書道の表現ではかなり重要になりますので、見た目でどのような印象を与えるのかも感じましょう。
ある程度書いてみたら、今度は違う大きさの筆を使ってみましょう。大筆(太筆)と小筆では書き心地はかなり違います。小筆は大筆に比べると強弱の付け方が難しいと感じるのではないでしょうか。それぞれの筆の特徴を把握しましょう。
最初はとにかく慣れが大切です。失敗を恐れずにどんどん書いていきましょう。
筆で書く時の注意
筆は垂直に立てたまま書きます。初心者にありがちですが筆は寝かせないように意識しましょう。また、力強く書きたいときでも筆を紙に強く押し付けるように書いてはいけません。毛先が潰れて筆が痛んだり割れたりする原因となります。
曲線を書くときに筆を回したり、手首だけを回したりして書かないようにしましょう。筆はしっかりと手で固定させ、手首で書くのではなく筆と腕を連動させて書きます。
自分の名前を書いてみよう
筆で書くという感覚が掴めて来たら、自分の名前を書いてみましょう。漢字でもひらがなでも自分が書きやすいと思った方で構いません。ポイントは一枚の紙の中に全ての字を収めるということです。漢字6文字なら半紙サイズの紙に収まります。ひらがなで書く場合は苗字と名前で紙を二枚用意するといいかもしれません。決められた紙の中に字を収めて書くことを通して、字の大きさを考えるということを学びます。
書いた作品に自分の名前が入るととても気持ちがいいですよね。何度も練習して、名前はぜひマスターしましょう。
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