「元日」を美しく書くコツ

目次

各文字(元・日)を美しく書くコツ

楷書で書いた「元日」縦書き
楷書で書いた「元日」横書き

 今回は書初めにおすすめの言葉について解説させていただきます。

 今回は「元日」(がんじつ)です。

 楷書では、一画一画を丁寧に書いていきましょう。

「元」を楷書で書くときのコツ

その1:1画目の横線を短く書く
「元」を楷書で書く解説1

 短く書くことにより、他の線が強調されて土台が安定した文字に見えます。1画目は小さく短く書きましょう。その分、2画目は1画目より長く書きましょう。

その2:4画目を太く書く
「元」を楷書で書く解説2

 4画目の縦線を太く書くことにより、文字が力強い印象になります。ブレないように太く書きましょう。また、右に流れる際も力を入れ続けると、元の台形を保つことができます。

「日」を楷書で書くときのコツ

その1:1画目より2画目の縦線を太く書く
「日」を楷書で書く解説1

 縦線と横線共に少ない漢字のため、強弱を付けて立体感を見出しましょう。縦線の中にも線のバリエーションを作ることにより、文字に立体感を見出すことができます。日では、1画目よりも2画目の縦線を太く書き、変化を意識的につけましょう。

その2:横線を細く書く
「日」を楷書で書く解説1

 2画目の横線を一番細くし、3画目と4画目は同じくらいにします。また、3画目は2画目と4画目の横線の中心に配置しましょう。

その3:縦線は下にはみ出す
「日」を楷書で書く解説1

 1画目と2画目の縦線の下部分を少しはみ出すことにより、文字に立体感を見出すことができます。これは、文字のルールとして覚えておきましょう。

各文字のポイントを押さえて綺麗な「元日」を書けるように練習してみましょう!

行書のお手本

行書で書いた「元日」縦書き
行書で書いた「元日」横書き

 行書は流れるように書くことで文字が躍動的に見えます。常に次の画のことを考えて書くことにより、一文字の中の繋がりがあるように見えます。

 どの文字も点画を連続させすぎると余白が狭く見えてしまうため、一部だけ点画を連続させて書きました。軽やかに手の力を抜いて書きましょう。元日は楷書の字形と類似しているため、差別化することが大切です。画数が少ないため、1箇所、あるいは2箇所繋げるだけで十分です。

草書のお手本

草書で書いた「元日」縦書き
草書で書いた「元日」横書き

 草書は余白を充分にとることにより、安定した印象になります。

 紙面上、作品構成をゆとりがあるように見せるためには、草書を使用することをおすすめします。日本では、掛け軸で使用されていることが多いです。画数が少ない文字だから、元旦は余白が取りやすいですね。やや強弱をつけると、メリハリが出ます。

隷書のお手本

隷書で書いた「元日」縦書き
隷書で書いた「元日」横書き

 隷書の特徴は水平に書くこと、一定の速さで書き進め、線の強弱をなくすことです。文字の中に「波磔」があることも特徴です。

 本格的な書表現に挑戦してみたい方には、隷書がおすすめです。中華料理店の看板でよく見られる書体ですね。

 元は3画目を短くすることが、ポイントになります。4画目の波磔は、思い切って力を入れましょう。

篆書のお手本

篆書で書いた「元日」縦書き
篆書で書いた「元日」横書き

 篆書は完成が縦長の字形が非常に多く、線の太さも基本的には均一にします。鋭い印象の書体です。

 文字の背が高くてすっきりとした印象にみせたいときにおすすめの書体です。

 身近なものですと、パスポートの日本国、という文字が篆書です。元の1画目、2画目を短く書き、文字全体を縦長に見せることがポイントです。

書道アート風に書いた作品

書道アート風に書いた「元日」縦書き
書道アート風に書いた「元日」横書き

 書道アートの分野においては、「古典書道」の概念から一度離れることが大切です。

始筆や終筆、そして運筆の方法は、書道アートのときには従来の本格中国書法の書き方とは大きく異なります。書道初心者の方が筆文字に触れて、その成果を少しでも早く作品にして公表したい、というときにおすすめの表現方法です。

 私は、彩墨を使用して書かせていただきました。濃淡をつけて、表現の変化を見出したのがポイントになります。

 いかがでしたでしょうか。同じ書道の文字でも、書体が変われば文字の雰囲気も多いに変わります。皆様も、是非、様々な書体で書道を楽しんでみてくださいね。