な行(な・に・ぬ・ね・の)を上手に書く方法
ひらがな(な・に・ぬ・ね・の)の成り立ち
ひらがなは中国から伝わってきた漢字が元となってできています。今から約1200年前に、一音一字でひらがなが統一されました。
様々な崩し方がありますが、こちらでは基本的な崩し方をお伝えさせていただきます。
現代の日本で使われている「な・に・ぬ・ね・の」は「奈・仁・奴・祢・乃」という漢字がそれぞれ崩れ(簡略化され)、出来上がりました。
「な」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!
楷書
概形(シルエット)が正方形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。
- 1画目:やや右上がりに書く
- 2画目:1画目より少し長く書く
- 3画目・4画目:繋がっている意識で書く
- 1~2画目と3~4画目の間(もじの中心部分)余白を作る
私が奨励させていただいているのは、3画目を、1画目よりやや下に配置することです。
そうすることにより、追いついた印象になります。4画目の結びはゆっくり書くことにより、安定したイメージになります。
行書
2画目の下に余白を作って書くことがポイントです。最終画は止まることにより、落ちついた印象にします。
3画目と4画目を繋げると柔らかい印象になります。これは、古典のテクニックでよく用いられます。楷書のときにはない、繋がっている前については、消えかけていたり、細い線で問題ございません。
「に」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!
楷書
概形(シルエット)が正方形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。
- 1画目をやや左にふくらむように書く
- 2画目より3画目をやや長くする
元々、仁という漢字からできたひらがなであるので、2画目より3画目を長くするのがポイントです。思い切って長くしましょう。
ただし、あまり長くしすぎると、バランスが崩れるので、正方形のシルエットを意識して書くのがポイントです。
行書
行書に関しては、点画と点画の繋がりを意識して書くことがポイントになります。楷書とほとんど差がないために、差別化のために柔らかい線を心掛けましょう。
「ぬ」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!
楷書
概形(シルエット)が横長の長方形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。
元々、奴という字からできているため、変と旁を意識して横長に書きます。少し右上がりに書くと、躍動感が出ます。
1画目より2画目の書き始める位置を上の方にすると右上がりに見せることができます。
2画目最後の回転部分が下がりがちですが、2画目の下部を揃えるとバランスの良い文字に仕上がります。
1画目の終筆と2画目の最後の結びは、だいたい同一線上になります。書道会によっても差があるため、許容範囲は広くなります。
行書
楷書と比較的字形が似ています。そのため、違いを明らかにするために、始筆を柔らかく入り、終筆を柔らかくはらうことにより、楷書との差別化をします。
1画目から2画目に向かうとき、筆の流れが切れないようにしましょう。
「ね」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!
楷書
概形(シルエット)が正方形になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。
1画目は左よりに、さらに長めに書きます。
2画目は、右上に上がる線を思い切って右上がりにすることがポイントです。
1画目と2画目の上部分の高さについては、揃えても揃えなくても良いです。 1画目の方が高くても、2画目の方が高くても良いです。 基本的に自由(決まりはない)です。
下部分についても揃えても揃えなくても良いです。1画目の方が低くても、 2画目の方が低くても良いです。こちらも基本的に自由(決まりはない)です。
1画目の終筆と2画目の最後の結びは、だいたい同一線上になります。書道会によっても差があるため、許容範囲は広くなります。
また、回転後(むすびの最後の部分)は「ぬ」の場合右下約45度に向かって書くことが基本ですが、「ね」の場合はあまり下げずにほぼ平行に書くと美しく見えます。
行書
ニ画で構成されているため、1画目と2画目をつながる意識で書きましょう。
ねは、2画目が長く、また方向変化がたくさんあるため、最後の結びを1画目の終筆の低さと揃えるとバランスが取れます。こちらに関しても書道会により差があるため、許容範囲が広く、何が正解、間違いなどはございません。私は右下に余白を作り、すっきりさせるテクニックを使いました。
「の」を楷書・行書で書いたお手本を見てみよう!
楷書
概形(シルエット)が丸になるように意識して書くとキレイな文字に仕上がります。
1画目は文字の中心から書きます。また、点画の折れの部分はしっかりと止めて、右回りの大きな円を描くように書きます。
1回目の折り曲げ部分と終筆の高さは、揃えても揃えなくても大丈夫です。
行書
線の方向が切り替わる時、柔らかく書いて楷書との差別化をします。
行書で書くときはやや縦長の概形になる傾向があります。さらりとした印象になれば、それで良いです。やや細めの線を意識すると、躍動感が見出せます。
学習上の注意点
今回は「教育出版」の字形を参考に記事を書きました。
ひらがなの字形は本によって字形が少しずつ異なりますが、字源の文字からの由来を意識する、というポイントは全てにおいて共通しています。学校のお手本は太く、書道教室は細く、がよくある傾向ですが、どちらも問題ございません。
楽しみながら、勉強していきましょう。
各ひらがなをキレイに書くコツはこちらをご覧ください。
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