点の書き方
基本的な点の書き方
全ての画の基本となるのが点です。点は打ち方次第で文字の表現やバランスを大きく左右します。ただ何も考えずに点を打てばいいという訳ではありません。点も短い画でありながら起筆・送筆・(収筆)が存在しています。
三折法の点の書き方
左斜め45度の角度で筆を入れてから、筆と筆先の側面を使って左側を少しだけ抉るように力を入れます。書かれた点は起筆から収筆に向かって徐々に太くなっていき、雨露のような形になります。あまり力を入れすぎずに、軽く書きましょう。
起筆の角度は斜め45度であるとは限りません。冖の一画目のように右上から左下へ向けて点を打つこともあります。
二折法の点の書き方
点には二折法で書くものもあります。収筆の部分を省略し、下へ向かって軽く筆を抜く感じで書きます。この点を亀頭(きとう)といいます。こちらの点は宀や广の一画目に当たります。
いろいろな種類の点
三折法の点と二折法の点の書き方を紹介しましたが、先ほど挙げた点はほんの一部分にすぎません。楷書の点は二十種類以上あると考えられています。一部ですが、よく見かけるものを紹介します。
- 杏仁点
右上に向かって突き上げるような形をしている - 亀頭点
宀や广の一画目に当たる - 仰三角点
三角形が上を向いているような形をしている - 向上点
杏仁点と書き方は同じだが真上に突き上げるように書く - 伏三角点
三角形を伏せたような形をしている。杏仁点の左右対称 - 梅核点
伏三角点の右側を少し下げた形をしている。向上点の左右対称。右払いと混同されることも
形や大きさは違えども、これらは全て点です。ただ筆を落としてポチっと点を打つのではなく、巻き込むように点を打つのがポイントです。さらに、点を単体で用いるものから、二つの点を並べたもの(雨/科)、三つの点を並べたもの(学/覚)、四つの点を並べたもの(然/渋)など複数の点を組み合わせて成り立つ漢字も含めるとかなりの種類になります。
このように、点には様々なバリエーションがあります。状況によって使い分けることが求められる奥が深い画です。たかが点だと考えずに、いろいろな点を書いて練習しましょう。