正しい筆の持ち方

目次

二種類の筆の持ち方

 筆を持つときと鉛筆を持つときでは持ち方が違うのはご存知ですか?毛筆には独自の筆の持ち方があるのです。日本では単鉤法たんこうほう双鉤法そうこうほうの二種類の持ち方が一般的です。中国にはさらに細かく区別された数種類の持ち方がありますが、日本ではあまり主流ではない持ち方なのでここでは割愛します。

単鉤法・一本がけ

 親指と人差し指で筆の軸を軽く持ち、残りの三本の指を軽く添える持ち方です。箸や鉛筆の正しい持ち方に似ています。鉛筆を持つ時のように、筆を寝かせすぎない(倒しすぎない)ように注意してください。筆を支える指が少なく指先に力が入るので、細かい字を書くのに適しています

単鉤法

双鉤法・二本がけ

 親指、人差し指、中指の三本の指で上から筆の軸を持ち、下から薬指と小指で筆を支える持ち方です。筆にかかる指の数が多いので単鉤法よりも筆が安定します。筆を動かしやすく、力強い線を出しやすいのが特徴です。とめはね等がしっかりとしている漢字を書く時には双鉤法がおすすめです

双鉤法

筆を持つ場所について

 次に筆を持つ場所についてです。持つ場所と筆の毛の部分(穂)が離れれば離れるほど筆を大きく動かすことができますが、その分、書いた線が不安定になります。力を込めずに軽やかな筆さばきをしたい時は穂から離れた筆の上の方を持つようにしましょう

 逆に、持つ場所と穂が近いほど腕の動きが紙に伝わりやすくなり、より安定した線を書くことができます。細かい動きで字を書く時や強い線を出したい時は、穂寄りの下の方を持つようにしましょう。漢字かな交じりの字を書く時などは、どちらにも対応することができるように真ん中や、真中より少し上の方を持つようにすると良いです。

 自分に合った持ち方を見つけるだけでなく、書きたい文字や書体に合わせて持ち方を変えることが大切です。

筆の構え方との組み合わせ

 最後に筆の構え方との組み合わせです。

この組み合わせがベストなので、ぜひ参考にしてみてください。

双鉤法+懸腕法
双鉤法+懸腕法
単鉤法+提腕法or枕腕法
単鉤法+提腕法or枕腕法