検定試験に挑戦してみよう
概要
長い間お習字や書道を続けていると、誰しも自分の実力を目に見える形で知りたくなるはずです。そんな時におすすめなのが書道の検定試験です。ここでは、検定試験について紹介します。
書道の検定について
「段位・資格について」の記事で、書道の級位・段位は日本国内で一つに統一されているわけではないと紹介しましたが、実は書道分野にも漢検・英検のように全国規模の検定試験はあるのです。それが日本書写技能検定です。
書道の腕前を資格として認められたいと考えている方、実力を試してみたいけれど展覧会に出品するのはちょっと…という方は日本書写技能検定を受験することをおすすめします。展覧会やコンクールに応募するよりも気軽に腕試しができます。
日本書写技能検定
日本書写技能検定とは、財団法人日本書写技能検定協会が実施する全国統一の検定試験です。文部科学省後援の検定試験であり、審査基準も明確なので履歴書にも堂々と記載することができます。学校によっては合格していると単位認定制度や入試優遇制度に使用することができるところがあります。
日本書写技能検定は五級から始まり、一級が最高の級位です。年に三回試験が行われます。部門は毛筆部と硬筆部で分かれており、年齢や学歴によって分けられてはいません。
試験の内容は指定された作品を書く実技問題と、漢字の読みや書道史など書道に関する知識を問う理論問題があります。作品を書いて送るのではなく、試験当日に試験会場に赴いて作品を書く形式を取ります。
一級合格者は指導者として認定されます。つまり、師範級の階位を持っていることと同じです。一級にもなると和歌や漢詩の創作や賞状の書き方が出題されるので、そう簡単には合格できません。日本書写技能検定協会によると、2015年度の一級合格率は硬筆で約10%、毛筆で約9%だそうです。とても狭き門ですが、合格すれば公的に書道の指導者として認められることになります。
他の書写検定で得た資格は無意味なの?
日本書写技能検定は全国統一の検定試験ということもあり、これ以外の検定試験で取得した資格(書道教室や書道団体で取得した段位)は全く無意味に思えるかもしれませんが、決して無意味ではありません。
少なくとも所属する流派の中で最高位の段位を取得していれば実力も伴っているはずです。何も書かないよりは「書道八段」と書いてあるだけで、おぉ!という反応を得られるかもしれません。資格でなくとも、特技として積極的に履歴書にも書いていきましょう。
書写検定と書展の違いについて
日本書写技能検定は、毛筆・硬筆書写に関する知識と技術を審査するものです。したがって、試験では誤字脱字や筆順といった部分が見られます。つまり、書写技能検定では書道というよりは習字の意味での字の美しさが求められます。
一方で、書展は作者の芸術性が問われるものです。書作品を通じて自分の個性を見てもらいたいという方は書展の方に応募しましょう。書展に関して詳しく知りたい方は「書展に参加する目的・意義」の記事をご覧ください。