固形墨と液体墨の違い

概要

 固形墨と液体墨と形状が違うだけで、特徴や長所短所がガラリと変わります。一概にどちらの墨の方が良いと断定することはできません。自分の使用目的に合わせて使い分けましょう。ここでは固形墨と液体墨のメリットとデメリットをまとめました。墨を選ぶ際にはぜひ参考にしてください。

液体墨と固形墨

結局どっちがおすすめなの?

 字が書ければ墨にはこだわらないのでしたら、すぐに使うことができる液体墨がおすすめです。墨の濃さも変わらないので安定して書き続けることができます。近年では固形墨と変わらないような書き心地を持つ液体墨も開発されているようです。

 ですが、固形墨から丁寧に磨られた墨は、液体墨にはない深みのある色を出すことができます。磨るという労力を払うだけの価値は十分にあります。

 どうしても決められないという方のために、固形墨と液体墨の長所短所を簡単に下記の表にまとめました。

固形墨と液体墨のメリット・デメリット
墨の種類 メリット デメリット
固形墨
  • 墨の濃淡を調整できる
  • 深みのある色を出せる
  • 磨る前なら長期保存が可能
  • 墨を磨るのに時間がかかる
  • 滲むと見栄えが悪くなる
液体墨
  • 使いたい時にすぐに使える
  • 長期保存できる(2~5年ほど)
  • 安価で手に入れやすい
  • 筆が痛みやすくなる
  • 色が単調になりがち

 すぐにでも書きたいなら液体墨を用いるのも良し。無心でゆっくりじっくり墨を磨ってみるも良し。その時の気分や時間によって、自分の好きな方の墨を選んでみてください。