硯の選び方 素材の産地で選ぶ!
唐硯と和硯
墨や紙の項目でも説明したように、書道道具には日本製と中国製のものがあり、どちらも異なる性質を持っています。硯も同じように日本で作られた
和硯と唐硯では硯の構造にさほど違いはありません。違いは原料となる石の違いです。中国と日本とでは風土はかなり異なりますので、採取できる石の色や模様も変わってきますし、同じ国内でも地方によってさらに細かく違いが出ます。
硯で有名な土地は日本中国ともにいくつかあるので、代表的な硯を紹介します。
唐硯の種類
唐硯は全体的に墨を磨りやすく、とても高価なものになります。唐硯には四大名硯と呼ばれる代表的な硯が存在します。

歙州硯
これらの唐硯の中で最も主流なのは端渓硯です。端渓硯には割とお手頃な値段で買えるものから恐ろしく高いものまで様々な硯があります。また、紋様も多彩で二〇種類以上あると言われています。硯に現れる紋様も観賞用だけでなく実用的な価値が生まれるものもあります。(硯の模様については→「見た目で選ぶ!」を参照)この四大名硯は現代では石の採掘量が少なくなったので手に入れることが難しくなりつつあります。
他にも
和硯の種類
日本の硯も負けていられません。硯の産地は日本全国に分布しています。その中でいくつか有名な硯とその特徴を簡単に紹介します。
和硯は唐硯に比べると紋様や色のバリエーションが少なく、派手さに欠ける点はあるかもしれませんが、どの和硯も滑らかで日本らしい落ちついた綺麗な色や模様をしています。

和硯
おすすめの硯は?
唐硯の中でのおすすめは文句なしに端渓硯ですが、安い物でも一万円という高級品なので初心者が練習用の硯として使うには少し勿体ないと思います。同じく唐硯の羅紋硯は一個五百~千円程で手に入れることができるので初心者の方にはこちらをおすすめします。
和硯だと赤間硯がおすすめです。一万円前後で購入することができます。