とうぼく/からすみ 唐墨

 唐墨とうぼくとは、中国の製法で作られた固形墨のこと。唐墨は和墨に比べて膠の比率が高くて硬いため、なかなか黒くならず墨を磨るのに時間がかかる。また、中国の気候に合わせて作られているため、日本では保管の際に墨が割れてしまうことがある。代わりに寿命がとても長く、質の良いものだと400年以上も保つことができるといわれている。

 油煙墨の唐墨の場合、品質は墨の上部に書かれている数字で判断することができる。101から104まであり、101が最高級レベルとなっている。

 ちなみに、魚の卵巣を塩漬けにしたものもカラスミというが、名前の由来は唐墨に色形が似ていたためだと考えられている。これはカラスミは時間が経つと色が黒くなり、固形墨のように見えたためである。