すみながし 墨流し

 墨流しすみながしとは、料紙の一種で水面に墨を散らし、水面を動かすことによって作った紋様を紙に写し取ったもの。平安時代から伝わっている伝統的な装飾の技法である。墨流しと同じような技法に、絵具を用いたマーブリングというというものもある。

 水を張った平たい容器に松の脂と墨汁を落とし、竹串や竹ひごなどの細いもので水面を動かす。木の年輪のような複雑な模様ができたら上から紙を当てて水面の文様を紙に写す。落とした墨の位置や流し方によって模様は変化する。できた模様は偶然作られたものであるため、同じ模様を狙って作ることはできない。