たせつほう 多折法

 多折法たせつほうとは、折法の一種で三折法を発展させて起筆送筆収筆をさらに三分化した折法のこと。中国宋代の黄庭堅こうていけんという書家が書いた『伏波神祠詩巻』(ふくはしんししかん)という書の「一」という漢字に見られる。

 三折法が「トン・スー・トン」であるのに対し、多折法では「トン(トン・スー・トン)・スー(トン・スー・トン)・トン(トン・スー・トン)」のような複雑なリズムを取る。つまり、多折法では三折法のリズムをさらに細分し、9つの折法(リズム)を持っている。その結果、書かれた文字は波打っているかのような形になる。