かなと漢字の違い

概要

 現代の日本では中国で生まれた漢字と、漢字を基に日本で独自に作られたかな文字の両方が使われていますが、漢字とひらがなの違いというものを明確に理解していますか。かな書道をする上ではこの違いを意識する必要があります。この記事ではかなと漢字の違いについて紹介していきます。

目次

かなと漢字の違い

 漢字書道で書かれる字とかな書道で書かれる字は明らかに特徴が異なります。漢字書道で書いた時と同じ要領でかな書道をかくと、かな書道独自の美しさを表現できません。

 ここでは三つの観点からかなと漢字の違いをまとめました。

文字の構造

 見た感じから分かるように、漢字とかなでは文字の構造が明らかに違います。以下は漢字とかなの構造上の違いを表でまとめたものです。ちなみにここでは漢字は楷書を、かなは平安時代中期~後期に成立した女手を基準としています。

漢字とかなの違い
見た目 左右対称か否か 線の様子 字の構成
漢字 画が多くて複雑 左右対称(例:木/目/山etc.) 直線的 偏とつくり
かな 画が少なくて簡単 左右非対称 曲線的 偏とつくりがない

 直線的な画が複雑に交わりあって構成されているのが漢字です。一方で、画数が少なく丸みを帯びた線で成り立っているのがかなです。漢字を草書風に崩した草仮名が元になっているひらがなは、やはり書き方も草書風にしなければなりません。したがって、かな書道を書く場合は柔らかく、軽やかなタッチで筆を動かすようになります。

文字体系

 漢字の一つ一つにはそれぞれ意味があります。例えば、「一」という漢字は数字の1の意味を持ち、「雨」という漢字は天気の雨を意味します。このように文字の一つ一つがそれぞれ独立した意味を持っている文字体系のことを表語文字といいます

 一方で、かな文字の一つ一つには意味がありません。その文字がもつ音を表している記号にすぎません。つまり、「あ」というかな文字には「a」という音、「い」という文字は「i」という音以外の要素を持っていません。このように文字の一つ一つが音を表すだけで、その文字自身には意味が含まれていない文字を表音文字といいます

 表音文字であるかなで意味を成す言葉を形作るためには、複数の仮名を連ねなければなりません。そのためかな文字は自然に連続させて流れるように書いていきます。だからこそかな書道では連綿という表現が重要になるのです。

墨に求められること

 文字体系の違いでも述べたように、かな文字ではさらさらと流れるように書くことが求められます。そのため、かな書道で書く際に用いる墨には伸びの良さや粒子の細かさが求められます。一方で、漢字では墨の黒味が求められるので、かな文字ほど粒子の細かさや伸びのよさは重視されません。

 これらの違いを踏まえてかな書道に挑戦してみましょう。