墨の原料

概要

 普段書道で何気なく使っている墨ですが、そもそもあの真っ黒な液体は一体何から作られているのだろうかと気になっている人も多いのではないでしょうか。墨の豊富なバリエーションを前にしてそれぞれの墨を比較することができるように、まずは墨の原料を知っておきましょう。この記事では墨の原料とその特性について紹介します。

墨は何からできているの?

 墨の主成分はすすにかわです。煤は松の木を燃やしたものや植物油を燃やしたものなど様々です。これらの煤に牛や豚などの動物の骨や皮のコラーゲンから取った膠を加えます。膠には煤の粒子同士をくっつけて形を保つ役割や、煤を紙の繊維に接着させる役目を果たします。膠は動物性のものであるため暑さに弱く、とても腐りやすいものです。これが磨った墨が腐る所以でもあります。そのため臭い防止のための香料や、墨汁の場合はこの他に防腐剤や合成樹脂といった化学薬品が加えられます。

 こうして練ったものを型に入れて乾燥させると固形墨、水と混ぜて液体にすると液体(墨汁)になります。固形墨と液体墨の特徴については「固形墨について」「液体墨について」の記事にて紹介します。

墨のバリエーションについて

 先ほど墨には固形墨と液体墨の二種類があるといいましたが、原料や製造過程の違いでさらに細かく分けることができます。例えば、墨の原料となる煤のそのまた原料となるものの違いによって異なる特徴を持つようになります。さらに、日本と中国とで墨の製造方法は少し異なり、その結果特徴も違ってきます。

 煤の違いについては「三種類の煤の特徴と違い」の記事で、墨の産地の違いについては「和墨・唐墨による違い」の記事で紹介しています。墨に強いこだわりを持っている方はこちらも併せて見てください。

墨