唐紙の種類

目次

様々な唐紙

 中国産の紙の中でも書道に使われる代表的なものを紹介します。なおこの唐紙という言葉は、中国で作られた紙という意味で使用しています。

唐紙・竹紙ちくし

 竹の繊維を用いて作られた紙を竹紙と言います。書画用の唐紙とうしと呼ぶときも基本的にこの竹紙を指します。中国では古くから竹が手に入りやすかったため印刷用の紙として多く使われていました。現代では書道や絵画用の道具として使われています。日本でも竹紙は作られることはありますが、中国ほどポピュラーではありません。

 さらに、福建省の竹を使用した竹紙は一番唐紙二番唐紙白唐紙の三種類に分けられます。この呼び方も日本独自のものであると考えられています。

  • 一番唐紙……繊維が粗く表面はざらざらとしている。滲みや擦れがでにくく墨の発色も良くない。紙全体が黄色味がかっている。現代ではほとんど作られていない。
  • 二番唐紙……繊維が細かく滑らかな質感。一番唐紙と比べると、やや滲みや擦れが出やすい。紙全体が薄い茶色味を帯びている。毛辺紙ともいう。
  • 白唐紙はくとうし……漂白されており、一番唐紙と二番唐紙との違いは明らかで、とにかく白い。墨の色が出やすい。

竹紙の全体的な特徴としては、墨をよく吸い込みます。

宣紙せんし

 宣紙とは、もともと中国の安徽省あんきしょう宣城せんじょうという地域(現在の涇県けいけん)で、青檀せいたんという植物と、稲藁を原料に伝統的な方法でのみ作られた最高品質の紙のことを指しました。しかし次第に他の地域、他の原料で作られた紙にも「宣紙」の名が付けられるようになり、現在では宣紙=書画紙という認識がされるようになりました。この項目では宣城で伝統的に作られた宣紙について紹介します。

 宣紙は最高級の紙と言われているだけあって、滲みや擦れが上質です。また、腐りにくく虫食いにも強く、1000年以上も保つことができます。

 宣紙は厚さが六段階あり、段階によって呼び方も変わります。

宣紙の名前と厚さの関係

紙の名前と厚さ
宣紙の名前 説明 紙の厚さ
三層夾宣 三枚重ねてできた厚い紙 厚い
二層夾宣 二枚重ねてできた厚い紙
夾宣きょうせん 単宣を二枚合わせにした程度の厚さを持つ一枚の紙。漉く際に原液を二度すくう
重単宣 単宣を少し厚く漉いたもの
単宣たんせん 宣紙の中でも基本となる厚さのもの
綿連宣 単宣よりも薄く漉いたもの 薄い

 紙の厚さによる違いは、墨の染み込み方です。厚くなるほど墨は紙に深く浸透し、深みのある色が出ます。薄くなるほど墨は横へ広がるように染み込みます。

 宣紙は、墨の発色・墨の持ち味、墨の色の変化と全てにおいてパーフェクトであると言われています。漢字にも平仮名にも使える紙ですが、中国で作られる紙ではあるため、どちらかというと漢字向きの紙となります。値が張りますが、書道の高みを目指すのであれば一度でいいから使ってみたいものですね。