かな書道におすすめの道具

概要

 かな書道をしたいけれど、漢字書道の道具で書いてもいいのだろうかと不安に思った方はいませんか。もちろん漢字書道用の道具を使っても大丈夫ですが、よりかな文字に向いている道具を選んだ方が俄然書きやすくなります。ここではかな書道をする際におすすめの物を紹介していきます。

かな書道

 かなの柔らかい曲線を表現するには柔らかめのものを使うと書きやすくなります。羊毛筆、兼毛筆がおすすめです。筆は穂の長さが長くなるほど扱うのが難しくなります。初心者の方は猫や狸の毛を使った穂が短めの小筆を使うと良いでしょう。

 筆は全部下さず、穂の3分の1くらいだけを下すようにすると書きやすいです。不安な方は、穂の根元の部分を紐で縛っておくと安心です。

 「かな・漢字書道に適した墨」や「かなと漢字の違い」の記事でも説明したように、かな書道では伸びの良い墨との相性が良いです。したがって、伸びが良くて粒子も細かい油煙墨がおすすめです。さらにこだわるなら、日本で作られた固形墨(和墨)だとなお良いでしょう。

 かな書道は漢字書道よりも細かいので初心者の方は滲みすぎて字が潰れてしまうということが多々あると思います。表面がなめらかで、滲みを抑えた紙を使用した方が綺麗に書けます。

 かな書道の紙には料紙という表面に装飾が施された綺麗な紙もあるので、作品を書く時に使ってみるとより一層作品が美しく仕上がります。

 かな書道では小筆を用いるのでそれほど沢山の墨は必要ではありません。そうなると使用する硯も小さめのもので足りるようになります。サイズだと3~5吋のものが適当です。

お手本

 文房四宝の他にはお手本が必要です。初心者の方におすすめの古典は、「寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)」「高野切第一種(こうやぎれだいいっしゅ)」「高野切第三種(こうやぎれだいさんしゅ)」です。特に「寸小庵色紙」はかな書道の書き方と散らし書きの構成方法を同時に学ぶことができます。

 各道具の細かい特徴について知りたい方は、それぞれの個別ページを参照にしてください。