習字で「愛」を書いてみよう!~楷書・行書・草書・隷書・篆書~

目次

「楷書」で「愛」の書き方をマスターしよう!

楷書で描いた愛のお手本

 楷書はみなさんが小学校などではじめに習う書体であり、書の基本です
履歴書や宛名書きなど正しくキレイな字“美文字”が求められる場でも使われている書体です。そんな楷書での「愛」の書き方をまずは覚えましょう!

 「愛」はスケールが大きく見えるように、文字の下の部分にあるはらいを長くするように意識して書きましょう。

 美しい文字に見せるポイントは4つ!

その1:はらいの方向に変化をつけて書く
はらいの方向に変化をつけて書く

 はらいを全て同じ書き方にしてしまうと、寸単調な印象になってしまいます。11画目から13画目のはらいの方向にできる限り変化を意識して書きましょう。

 特に、13画目の右側のはらいを長く書くことがポイントです。

その2:1〜4画目は小さくに書く
1〜4画目は小さくに書く

 文字の下半分のスケールを大きく見せるために、文字の上側は詰めて、尚且つできるだけ小さく書きましょう。

 もし、大きく書いてしまうと、頭でっかちな印象になります。

その3:心の書き方に注意する
心の書き方に注意する

 「心」という字は、2画目の跳ね上げた先(延長線)の両サイドに3画目と4画目が配置されているとより美しく見えます。

その4:最終画のはらいをやや長めに書く
最終画のはらいをやや長めに書く

 はらいの長さを強調することにより、文字全体のスケールを大きく見せることができます。

 愛の最終画ははらいが斜め右下に向かい、それから真横(右)に流れるため、より伸びやかな印象になります。

 これらのポイント押さえて綺麗な「愛」を書けるように練習してみましょう!

楷書での書き順を覚えよう

 「愛」の書き順はこちらを参考にしてください。

楷書1画目
楷書2画目
楷書3画目
楷書4画目
楷書5画目
楷書6画目
楷書7画目
楷書8画目
楷書9画目
楷書10画目
楷書11画目
楷書12画目
楷書13画目

「行書」で「愛」の書き方をマスターしよう!

 行書は楷書を崩した書体で楷書よりも短時間で書けるという利点があります。

 手紙や走り書きでメモを取る時など、素早く書きたいときに使える書体です。

 特に、お仕事で電話の伝言を書き取るときに便利です。楷書ですと、書くのにお時間がかかってしまいますよね。

行書のポイントは
  • 見た目が曲線的になっている
  • 一部が省略して書かれている場合がある
  • とめ・はね・はらいの部分が変化する

 など

  • 「はらい」が「とめ」に変わっただけのほぼ楷書と同じもの
  • 複数省略して書いた草書に近いもの

 どちらも行書になるため、崩し方によって文字の雰囲気はガラリと変わります。

 特に、愛は、書道の作品販売でも人気があり、需要が高いです。お名前でも人気の漢字で命名書に使われたり、また、ポストカードにこの文字を行書一文字書いて、額に入れると素敵な作品が完成します。

 今回は「愛」をより速く書くコツをお伝えします。「愛」を素早く書くためには、「点画を連続させる」書き方が一般的です。

 特に、画数が多いため、気持ち繋げる箇所を多くするのも素早く書くための一つの方法です。ただ、画数が多すぎる文字でもあるため、あまりにも連続させてしまうと、窮屈な印象になります。

 文字は線に強弱がある方がより躍動的に見えるため、払いの線の書き始めは力強くして太く、書き終わりは華奢な印象になるように細くしました。太くすると、力強い印象になり、それもかっこいです。

 書道会、また都道府県により、はらいの運筆や字形が異なります。

行書での書き順を覚えよう

 「愛」は通常13画ですが、今回は11画で書く時の書き順画像をご用意しました。

行書1画目
行書2画目
行書3画目
行書4画目
行書5画目
行書6画目
行書7画目
行書8画目
行書9画目
行書10画目
行書11画目

 始筆(起筆)は露鋒で、楷書に比べると気持ち軽く入ることで行書らしい柔らかみのある線が出ます。また、全ての点画を連続させてしまうと余白が狭くて窮屈な印象になるため、5画目と6画目は切り離して書きました。

草書・隷書・篆書のお手本を見てみよう!

草書のお手本

草書

 草書は画数が非常に少ないため、文字に余白を作りたいときに有効的な書風であります。

 比較的、草書には曲線が多いため、その曲線の膨らみ加減がどのくらいであるかにより、表現の多様性を生み出すことができます。

 また、点画を連続させることによってまとまりのある文字に魅せることができます。

 草書で「愛」を書くときのポイントは余白が多くなるように両サイドに線を膨らませて、はらいを勢いよく書くことです。そうすることによってスケールの大きな字に魅せることができます。

 また、他の文字と隣り合わせで書くときは、愛という文字を大きく書くことをおすすめします。たとえ草書であったとしても、画数が多い文字は、小さく書くと窮屈に見えてしまうからです。

隷書のお手本

隷書

 隷書は日本の紙幣で使われている書体です。お札を見てみると「日本銀行券」や「壱万円」といった文字が書かれていますよね。その書体が隷書です。

 他にもお店の看板やお菓子やお酒のパッケージなどにも使われているので、探してみると意外と身の回りで見つけることができる書体です。

 そんな隷書は一定の速さで書き進め線の強弱をなくすことと、水平に書くことがポイントです

 今回、隷書で「愛」を書くときのポイントは、横平らに魅せるために5画目と左側配置して書くことです。そうすることによって、楷書で表現したときに正方形になる文字にも隷書らしさを生み出すことができます。

篆書の見本を見てみよう!

篆書

 篆書はパスポートや印鑑(印章)で使われている書体で、漢字の中で最も古い書体です。パスポートの表紙に独特な字形で「日本国旅券」と書かれていますよね。その書体が篆書です。篆書は縦長の字形が非常に多く、線の太さも均一にします。鋭い印象の書体であります。

 愛は、心が入っているため、篆書も見分けがつきやすいです。私の書道教室のお稽古でも、愛を篆書で書く授業が人気です。

 基本的には左右対称ではありますが、古筆によって表現の多様性のために、意図的に左右対称にしていないケースもございます。

 篆書で「愛」を書くときのポイントは、全体的に文字を縦長に書くということです。楷書だと比較的正方形に見える文字であるため、縦線に曲線を多用して書きました。

 また、左右対称が基本ですが、昔の古筆の表現を意識して、左右対称にしすぎなくても問題ございません。表現の多様性や、意図的な非対称による芸術表現もございます。

 草書・隷書・篆書は、中国古典を学びながら、字形を覚えていきます。日本においては書道教室の先生が中国の古典を元にして臨書した作品をお手本にして学ぶことが多いです。