硯の選び方 形で選ぶ!

概要

 硯はどんな形?と聞かれてほとんどの方が思い浮かべるのは、長方形ではないでしょうか。実は硯にも円や四角など様々な形があります。ここでは、硯の形のバリエーションを紹介します。

歙州硯

硯の形とは

 現在日本で作られる硯のほとんどは長方形、あるいは楕円形だと思います。ですが、中国製の硯には日本ではあまり見られない珍しい形の硯があります。よく見られる実用的な形の硯は以下の表の通りです。

代表的な硯の形一覧
名前 説明
長方硯 長方形の硯。日本で最も一般的な硯の形
円硯 円形の硯
方硯 正方形の硯
板硯・硯板けんばん 海が無い真っ平な板状の硯。淡い墨の時に使う
楕円硯 楕円形の硯
天然硯 形を整えず、天然石の形を残した硯
太史硯たいしけん 長方形で表面左右の縁に足のようなものがついていて高さがある
挿手硯そうしゅけん 太史硯と似たようなつくりをしているが、高さや縁がより低い

この他にも動物や植物を象った硯もありますが、どちらかというと観賞用としての要素が強く、あまり実用的ではありません。

 硯は骨董品としての価値も高いものです。洗硯会という硯を水の中に入れて水に浮かび上がった模様を見る「洗硯せんけん」という観賞会も行われているようです。硯の綺麗な紋様や形を見て楽しむこともまた硯の正しい使い方だと思います。なお、洗硯という言葉は文字通り硯をきれいに洗うという意味でも使います。むしろ現代ではこちらの意味で使われることの方が多いようです)

 普通に書道をするだけなら長方硯で全く問題はありません。周りの人とちょっと差を付けたい、あまり使われなさそうな硯を使いたいという方は少し変わった形の硯を探してみてもいいかもしれません。ただし、極端に珍しい形の硯は希少なので手に入れるにはそれ相応の値段になりますし、装飾の有無や形は墨の出来具合にはほとんど関係ありません。珍しい形の硯はあくまで観賞用と考えたほうが無難です。

 また、同じ硯でも海や陸といった各部分の大きさが異なるものもあります。これは好みというより使いやすいか否かに合わせて選びましょう。

円硯
円硯(えんけん)