かな書道とは

概要

 書道で書くのは漢字だけではありません。日本独自の文字であるかな文字で書かれた書道のことをかな書道といいます。漢字を書く中国の書道には見られない、日本独自の書道文化です。ここでは簡単なかな書道の歴史やかな文字の紹介をします。

簡単なかなの歴史

 かな書道について考えるには、まずはかなが生まれた経緯に少し触れておく必要があります。

 漢字は中国大陸から伝わってきたものであり、日本はもともと固有の文字を持っていませんでした。従って記録を残す際も漢字を使って中国語の構文、すなわち漢文で書いていました。しかし、地名や人名などの固有名詞は漢字の意味を無視して音だけを借りる、言わば当て字で表記していました。これを借字(しゃくじ)といいます。借字は一般的に万葉仮名(まんようがな)と呼ばれます。

 長らく万葉仮名が使われていましたが、一音一音に逐一画数の多い漢字を書くのは時間がかかります。そこで、漢字を徐々に簡略化(草書化)していきました。平安時代に入るとさらに簡略化されるようになりました。こうして生まれた文字こそが、現代も使われている平仮名(ひらがな)です。

かな文字の種類

 かなには誕生した時代や使われている場面によって異なる呼称や文字体系があります。

かな文字の種類と歴史
名前 成立年代 特徴
万葉仮名(借字/真仮名/男手) 5世紀頃 楷書や行書の漢字をそのまま使って表したもの。真仮名、男手とは漢字のこと
草仮名 平安時代中期 万葉仮名を崩して(草書体)簡潔に書いたもの
女手 平安時代後期 草仮名をさらに簡略化して生まれたもの。現代の平仮名とほぼ同じ
平仮名 明治時代 現代国語のひらがな50音
片仮名 平安時代初期頃 現代では主に外来語の表記に使われる
変体仮名 現代で平仮名でも片仮名でもない仮名の総称

かな書道とは

 さて、ここでかな書道とは何かについて考えてみましょう。上記の表からも分かるように、かなは単にひらがなだけを示す言葉ではありません。したがって、かな書道で書かれる文字には平仮名の他に万葉仮名や草仮名なども含まれるのです。さらには全て平仮名で書かれた書も、漢字とかなが混ざって書かれた書(調和体)もかな書道に含まれます。簡単に言えば、日本語で書かれている書は全てかな書道になります。

 かな書道では繊細な線や美しく流れるような字が求められるので、主に小筆を使って書きます。詳しいかな書道の特徴については「かな書道の特徴」の記事を参考にしてください。

 かな書道では書を通して短歌や俳句といった日本独自の文化を学んだり、日本語の美しさに触れることを目的とします。興味のある方はぜひ挑戦してみてください。