かな書道・漢字書道に適した墨

概要

 これまでの記事では墨の原料や製造方法から墨を選ぶ際のポイントを紹介してきましたが、今度は少し視点を変えて、書こうと思っている字から墨を選ぶ方法を紹介します。

かな書道と漢字書道の墨

 日本の書道で主に書かれている文字は、漢字とかなの二種類の字です。漢詩や漢文のように漢字だけ、あるいは全てかなで書く場合から現代のように漢字とひらがなを混ぜて書く場合まであります。

 かな書道は流れるようにすらすらと書くために、伸びの良い墨が求められます。そのためかな書道では粒子の細かい油煙墨が適正です。一方で漢字書道は文字の黒味が重視されます。そのため漢字書道では煤の粒子が大きめの松煙墨が適しています

 かなと漢字で好まれる墨の特徴を挙げましたが、実際にはあまり区別されていません。漢字書道用の墨は必ずしもかな書道には使えないということはありません。近年では市販されている墨のほとんどは漢字にもかな文字にも対応することができるように作られています。