良い硯の条件と選び方

目次

良い硯の条件とは?

 良い硯には必要不可欠な三つの条件があると考えられています。

墨がよく磨れること

 硯は墨を磨る道具です。硯の良し悪しはいかに良い墨を磨ることができるかにかかっています。良い墨を磨るためには墨を磨り下ろす場所である丘という場所がとても大事になります。もっと言うと、鋒鋩ほうぼうという表面の凸凹の細かさが一番重要です。鋒鋩が細かく立っていて、墨を磨る部分全体に均一に見られるものが良い硯です

水持ちがいいこと

 墨は水滴と混ぜ合わせて磨ります。水持ちの悪い硯は墨液の出来が悪いだけでなく、せっかく磨った墨が乾きやすくなります。

使用後に墨が落ちやすいこと(離墨が良いこと)

 使い終わって硯を洗うときに、墨が落ちやすいものが良いとされています。離墨の悪い墨は鋒鋩に乾いた墨が溜まってしまい、次第に墨が磨りにくくなってきます。

この三つの条件が揃っている硯を選ぶようにしましょう。

良い硯の見分け方

 次に、実際に硯を手にしてみてどこに注目すればいいのかを説明します。

鋒鋩

 実際に手で丘に触れて確かめてみてください。ツルツルとしていてほとんど抵抗のないものは墨を磨ることができません。逆に指の皮膚が引っかかるほど粗いものは墨の出来も粗くなってしまいます。子供や赤ちゃんの肌のような手触りのものが一番良いと言われています。

 鋒鋩は目に見えないほどの大きさなのでパッと見ただけでは分かりません。実際に墨を磨って確かめるのが一番ですが、まずは触って確かめるようにしましょう。

保水性

 硯に息を吹きかけてみて、その跡がなかなか消えないものは保水力が高い硯になります。水を少しつけてみても良いでしょう。(お店で試す場合は必ず店員の方の許可を取るようにしてください)

見た目・音

 ヒビや割れ、欠けた部分などがないか確認しましょう。ヒビについては、音で見分ける方法があります。硯を耳のそばに持ち上げて、指で軽く叩いた音で判別をします。これを「硯音けんおんをきく」といいます。鈍い音がするようであればヒビがはいているかもしれません。

紋様

 硯の中には材料となる石の模様がそのまま残ったものもあります。実は、この模様が墨の磨りやすさ磨りにくさに関わってくる場合もあります。これは主に中国で作られた硯に見られる模様なので、日本製の硯を用いる場合はほとんど気にする必要はありません。

 詳しい硯の紋様と墨の関係について「見た目で選ぶ!」の項目で紹介します。

自分のお気に入りの硯の選び方

 とは言っても、墨を磨るのは手間がかかることなのでほとんどの方は墨汁を使うのではないでしょうか。その場合墨を磨る機能は不必要となってしまいますので、硯を選ぶ基準は固形墨を使う場合とは違ってきます。

 基本的に液体墨を使うか、固形墨を使うかによって硯を選ぶことになりますが、それだけでは決められないほど硯にはバリエーションがあります。そこでいくつかの項目に分けて硯を選ぶ際のポイントをまとめたので参考にしてみてください。

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 硯を選ぶ基準はさまざまです。どこに重点を置くのかをよく考えましょう。何度も言いますが、硯は消耗品ではなく半永久的に使えるものです。きちんと吟味してお気に入りの硯を見つけるようにしましょう。