いんでい 印泥

 印泥いんでいとは、印を押すときに用いる朱肉のことで、中国での呼び名。古来中国で伝統的に使われている。乾燥させたヨモギと朱砂しゅしゃという硫化水銀に色付けをして油で粘度を調整したもの。現代市販されている印泥のほとんどが中国で作られている。

 朱肉とは違ってドロドロとした粘土のような形状をしている。気温や湿度の変化に弱く、分離してしまうため、使うたびに混ぜ合わせる必要がある。書道では署名代わりに捺印をする際、印泥を用いることがある。保存が難しく乾きが悪いものの、深みのある色を鮮明に残すことができる。